出会いの日 6
宜しくお願いします。
ピアと客室で話し合った後、ピアはこのまま客室で過ごす提案したがシャロンは招待した主催者への礼儀として社交場へ戻る事を頑として譲らず2人は広間へ戻った。
戻って程なくダンスの頃合いとなり、最上級の賓客である皇太子とその婚約者が踊ったのを皮切りに来賓者たちもダンスの輪に加わっていった。
シャロンはピアと踊りながら、つい会場に居るはずのミルトニアを探してしまう自分に気づいた。
ピアに心の内を曝け出し、ピアの気持ちを確認したばかりなのに視線は会場を彷徨うように動いてしまい、再び自己嫌悪が襲ってくる。
「シャロン、顔を上げて。」
ピアの声に従って顔を上げるとピアが唇を重ねてくる。
「っ!?」
驚いて体を離そうとするが腰に回ったピアの手は動かない。
「お、お止め下さい。殿下っ。」
顔を横に背けてピアの唇を躱し、小声で制止を伝えるが今度は耳に唇を落としてくる。
踊る足が止まった2人を周りで踊る人々も気にしているのを感じ、シャロンは顔に熱が集まるのを感じた。
「お戯れも――」
「私だけを見て欲しい。」
甘い声色で囁いたピアの瞳をシャロンは見上げる。
「私は心の狭い男だから、君の心に、瞳に私以外の人が映っていることが許せない。」
ピアはシャロンの目元に唇を寄せる。
「それがミルトニアであっても。」
「ピア様・・・。」
柔らかく重なる唇をシャロンは拒むことはなかった。