作家よ!真似だけで面白くなると思うなよ!
タイトルからしてかなり過激ですが、別段真似を否定している訳では無い事を冒頭に言わせて頂きたい。
私は教育者の端くれでした。(すでに端からも落ちましたがw)
そんな私が教育でよく耳にした言葉が「まなぶはまねぶ」です。
「まなぶ」(学ぶ)ということは、模倣である「まねぶ」からきています。
要するに真似をするというのは学習上当たり前のことであり、真似する事でオリジナリティーを見つけて行く事ができるのです。
ですが、ここで勘違いしないでほしい。
真似はあくまで真似です。
学習の過程でしかないのです。
いくら面白い設定を見つけたと思っても、それを真似しているだけではあなたの作品は面白くなりません。
以前にもエッセイで書いていました「異世界物はなぜ難しいのか?」の感想欄でもありましたように、異世界と言うのは結局0から作るという事はほぼあり得ませんし、作ろうとしたらそれこそ、トールキンの物語の序章の様に長ったらしい物になるでしょう。
ですので、結局は誰かが作った書きやすい物語の世界を異世界として出しているのです。
では、異世界物でなぜ売れる作品が出てくるのかです。
これは、異世界と何かをその作者が足しているからです。
例えば、「オバロ」あれは異世界とMMORPGの世界の合体です。
「Re:ゼロ」あれは異世界と死に戻りというループ系の話の合体です。
これらの話は今までありそうで無かったものを組み合わせる事で出来た作品です。
そしてそのコンセプトに沿って徹底的に調べ、知識を収集して書かれています。
だから鬱展開でも、なんでも面白く読めるのです。
では、現在なろうに溢れている異世界物についてですが、正直言ってあまりにも代わり映えしません。
どの作品もチートとハーレム突っ込んでゲームの様にスキルテーブル出して、そして適当にバトルするだけです。
そして、バトルも単調。
強い主人公に対して強い敵を出さなければならず、展開を工夫する事もなく同じような展開からバトル発生→敵を倒す→さらに強い敵発生→倒す→発生とこのループを延々と繰り返すことになります。
まぁそればかりでは無いですし、面白いと思える作品もあります。
これらの作品は中途半端に模倣した結果、どっちつかずの物語になったと言って良いでしょう。
だからと言って初心者の皆さん (俺もかw)模倣するのは悪ではありません。
あくまで練習として模倣してください。
ただし、中途半端な模倣は単なる時間の浪費です。
やるからにはそのジャンルで有名な作品を読み込み、徹底的に面白い要素を探し出し、それらを自分の作品に落とし込めるように努力するのです。
文章が拙い?そんなもん練習すれば良いし、美味い文章書く人のを読みましょう。
ストーリーが似たり寄ったり?なら徹底的に似せてやればいい。 (ただし、評価を求めずランキング除外作品にしないと著作権の問題で後々首を絞めるぞ)
そうやって骨の髄まで真似してみろ!自ずと自分の作るべき作品が見えてくるはずだ!
私はこの4ヶ月欠かさず小説何作も読んでいる。
それは私の作品が異世界で作られている物語だからだ。
そしてその物語にプラスになる物、インスピレーションをくれるものを常に探している。
最近なら小説にプラスして城の立て方を図書館から借りて読んでいる。
自分の作品の根幹にかかわる部分だからここだけは絶対に外せないと必死になって勉強した。
お陰で今では立派な変人だ。
現代で縄張りがどうとか、堀の形がどうとか話せる時点で学者かオタクのどっちかだ。 (すみません、変人は言い過ぎですね^^;)
けど、俺は後悔していない。
そのお陰もあってか少しずつだが確実に評価も、読者も増えてきている。
俺は俺の形で物語を書いていると自負があるからだ!だからエタらないしエタりたくないと思っている。
何が悲しくて表面だけの猿真似をしている!
何が悲しくて人気だけを集める作品を書く!
確かに作家は人気商売だ、売れなければ意味がない!
だが、なろうだけの狭い世界で人気出してどうするんだ!?
もっと広い世界を見ろ!蛙になるな!鴻鵠に成れ!
正雀なんぞに己の志を渡していいのか!?
鴻鵠として空高く舞わなくて良いのか!?
俺は嫌だ!地べたを這いずり回るなんてまっぴらごめんだ!
大衆文学で結構!純文学が書けない事くらい百も承知!
なら俺は大衆文学で頂点取ってやる!
そんな気概を持って、「練習」として模倣をして欲しい。
これは私の勝手な願いだが、このなろうがもっと面白いサイトに、いや唯一無二のサイトになるくらい多彩なジャンルとレベルの高い作品であふれる事を願って締めくくりとさせて頂く。
最後までお付き合いいただきありがとう。
これはまぁ啓発エッセイと言うべき物かもしれない。
私自身遅まきながら「プロ」の作家を目指している。
もちろん自分がまだまだなのは理解しているし、自分がそこまでのヒット作を出していないのでどうなんだと言われれば言い返せない。
だが、志だけは誰にも負けないし、この胸の熱い炎は誰にも消させないし、消せない。
批判でも批評でも受けて立つ。
返せない事は私の勉強不足だ。
それがまた私を育ててくれると信じている。