果ての塔
自分の妄想を人に伝えたいと思い書きました。
この国の東の果て、正確には東であると思われるその方角に塔はあった。
草一つなくどこまでも続く白い大地の中にあってなお、何よりも白く輝くその塔はどこまでも高く聳え立っていた。
「望みを言うのだ。旅人よ。」
彼は冷静に威厳を持たせて問うたつもりだったが、その響きには隠しようの無い喜びがあふれていた
もう100年は待ったのだ。人にも動物にも、時にさえ忘れられたこの土地で。ただただ待ち続けたのだ。
その日、塔を訪ねた男は自分を学者だと言った。いくつもの古い石碑に刻まれた「塔」を探しているのだと、そこには世界の真理があるのだと、その学者は言った。
「旅人よ、お前の願いは成就した。私は全てを知っている。それだけではない、ここにはこの世の全てがあるのだ、旅人よ。お前の願いはなんだ?私は全てを叶えよう。」
男は輝かせていた眼を更に見開き歓喜の叫びを上げた。それを見て彼もまた喜びに震えた。
それから数年、男は多くを問い多くを得た。この塔の中では男が欲しいと思えば何でも手に入った。それは男だけでなく彼にとっても夢のような時間であった。
「一度、国に帰りたいのだ。」
その日は唐突に訪れた。
「すまないが旅人よ、それは出来ないのだ。」
「全てを叶えてくれるのではなかったのか?」
「ここには全てがある。お前の願いも全て叶えよう。だが国に帰る事は出来ないのだ。それはお前が一番よく分かっている事であろう。」
彼は知っていた。この日が来るのを知っていた。幾度もこの日は訪れたのだ。
男を止める手を彼は持たなかった。
男は塔を去っていく。国を目指して、帰れぬと知りながら。
「望みを言うのだ。旅人よ」
彼は全てを知っている。彼の役目を知っている。
小学校の作文以来です。自分の語彙力が無さを痛感し細かい描写やストーリーを断念しました。中世ファンタジーのイメージで書きましたが白い大地がどこまでも続いているので、これは遠い未来の話なのかも知れません。




