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合戦

 開戦してまもなく劣勢、状況は最悪だった。敵軍の主力は真赤な駿馬と真赤な飛龍の二匹の魔物であり、彼らを守るように数多くの黄金の兵が配されている。

 魔物たちと兵たちの連携は実に巧みであり、魔物を狩ろうとすれば兵が妨げとなり、兵を潰そうとすれば魔物が邪魔してくるといった具合であった。

「何が何でもワシを護れえ! ワシさえいれば後から巻き返せる!」

 戦場に王の怒号が行きかう。遊軍の援護も空しく魔物に蹴散らされ、徐々に追い詰められてきた。このままではジリ貧である。

 いまや数少ないエリート部隊の兵たちが最後の意地でもって一矢報いろうと奮戦、敵軍の駿馬を討ち取ることに成功した。

「罠かっ!?」

 しかし、それは敵軍の策であり、討ち取った駿馬は囮だった。飛龍と黄金兵が横から肉薄してくる。エリート部隊は敵軍の思うがままに一網打尽にされてしまった。

「とにかく、ワシを護れえ! ワシをお!」

 部隊は壊滅、王の叫びは虚空にこだまするだけで誰も助けに来なかった。

「無駄な抵抗はやめてすみやかに投了せよ。それならば命だけは助けよう」

「そのような甘言に惑わされるワシではないわあ! 一世一代の大立ち回り、目ん玉ひんむいてよく見るがいい!」

 人を容易く丸呑みにする飛龍のあぎとが王の眼前に迫ったとき、飛龍の巨体はたちまち両断された。

 神速の一閃。

「ふん、未熟者めが……ぐあ」

 飛龍の巨体の陰に隠れていた歩兵の槍が王の胸に深々と刺さっていた。

「無念、貴殿らに我が剣を奉る」

 戦場は、敵軍の拍手喝采によって包まれた。

「だー、強すぎんだろ。クソゲーか」

 あなたの負け。最初からやり直しますか?

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