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いつかのために

作者: に*か

 泣いて、泣いて、泣いて、泣いた。

 

 私を励ますのは、世界に向けて発信されている歌。

 私のために歌われたわけではないけれど、


 けっして。


 私のために作られた歌でもないけれど、


 それでもその歌は温かくて、優しかった。


 耳が聞こえてよかったな、とか。言葉が理解できてよかったな、だとか、そんなことを思う。


 この歌に知り合えてよかった、そう思う。


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 ナイテ、ナイテ、ナイテ、ナキツイタ。


私は親友に泣きついた。言葉で、悲しみを、苦しみを訴えた。


 今はもう、あまりしゃべらなくなってしまった親友は、かつてのあの頃と変わらなくて、私はまた、


ナイテ、ナイテ、ナイテ、ナイタ。


 嬉しくて、優しくて、ナイタ。


 人間、案外心の奥底は変わらないものだなぁと思う。変われないものだなぁ、と思った。


 今度は、私が親友の苦しみを聞いて、寄り添えるような人間になれたならば。


私は、嬉しくて、嬉しくて、きっと泣くだろう。


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