魔王と勇者、まったり
ーー「第一回‼ 世界征服会議‼ (本音が)ポロリもあるよ‼」
「いや、始めるなよ⁉︎」
バカな事をいきなり立ち上がり叫ぶ少女ーー勇道 勇希へと俺は反射的にツッコミを入れてしまった。
「……まったく、ボクがせっかく場の雰囲気を盛り上げようとしたのに……善村 善人、君はもっと空気を読んだ方が良いよ?」
「……突拍子のない事を叫ぶのが場の空気を変えてくれるなら、誰でもやるよ。 お前のはただの奇行だ」
やれやれと言った様子でやっとのことで座った勇希を見ながら、俺ーー先ほども呼ばれたが善村 善人は軽くため息をつく。
「だいたいだよ? 君とボクが奇行を行っても誰も見向きもしないこの喫茶店の心の広さが一番凄くないかい?」
そう、ここは何を隠そう公共の場ーー喫茶店と呼ばれる場所だ。
しかしこの喫茶店、俺や彼女がどれだけの奇行を行おうが誰も見向きもしない。
何故ならーー
「見向きもしないって、当たり前だろ……そもそも人が店主と俺とお前だけしかいない店なんだ、誰かが見向きしたらビックリするぞ……」
そう、この店繁盛してないのである。
そんな事を店主ーー創田 創瑠の前で言えば血を見る結果になりそうだが、今は店の外を掃除してるため店内は俺と彼女だけになっている。
ん? 店内にお客だけで良いのかって?
店主と俺たちはかなり友好な関係だから大丈夫なんだよ。
「それにしてもさぁ……最近面白い事が無いよねぇ……」
「お前の面白い事ってなんだよ……」
「やっぱり今のトレンドは世界征服かな」
「うん、それ以外で」
それ以外かー……、と彼女が頭を抱えている間にコーヒーを一口。
まったく……こっちは話しているだけでそれなりに楽しいと思っているんだ。
それに毎日イベントがあっても疲れるだけだろう。
先月も先々月も面倒なイベント盛りだくさんだったんだ。
たまにはイベントがない月もあってもいいんではないだろうか。
それにーー
「そうだ、善人」
「ん?」
「魔界を茶化しに行かない?」
「いや、ダメに決まってるだろ⁉︎」
「たまにはさ、向こうのヤツらを扱きに行ってやらないと。 元勇者と元魔王の最強コンビが扱いてくれるなんて、願ったり叶ったりのはずさ」
「安心しろ、絶対にありがた迷惑だから」
彼女は勇者で俺は魔王なんだ。
たまにはゆっくりしても罰は当たらんさ。ーーー
連日投稿、成功‼
この流れで一週間連続を目指したいです‼