六光分と三十年先の宇宙人へ
今日は筆休めで、公開してなかったSFを上げます(:˒ꇤ[▓▓]
異世界恋愛は明日からまた頑張ります……! すみませぬ!
改めまして、櫻井莉子と申します。
この度はご多忙の中、記者会見へお越しいただき誠にありがとうございます。
長きに渡る人類の野望、『火星移住計画』の足掛かりとなるべく、私は五名の仲間と共に広大な宙への旅へ赴きました。
とはいえ、私たちのミッションは実際に火星へ降り立ち、何かしらのサンプルを取得するといったものではありませんでした。
そもそも人類はまだ火星へ到達できていませんから。まずは火星を往復できるだけのロケットを造り、実際に往復が可能であるのか、そのロケットではどれほど滞在ができるものなのか、通信やロケットの機体そのものに不具合は起きないか等々。慎重に検証をしていかなければなりません。
過去に同様に、火星付近を目標地点として定めた有人ロケットが造られた際に発生した事故も踏まえ、火星到達の為の有人ロケット開発は一度見直しがされました。
そこで何度も検証を重ね、より細かな段階を経た開発の末、私たちの相棒であるロケットが生まれました。
そして先程述べた火星着陸の為の検証を行うべく、私たちは約五千五百八十四万キロメートル……といわれても、あまりピンときませんよね、ふふ。
皆さん、一光年という単位は聞いたことがありますね。そう、光が一年で進む距離です。
五千五百八十四万キロメートルというのは、光年に置き換えるとゼロが六つ頭にくっつくような、小難しい数字の羅列になります。ですのでここでは敢えて、『光分』という正式には存在しない単位を用いて表現します。光に時間の分という単位を付けて、『光分』です。
五千五百八十四万キロメートル、これは約三光分――つまり、地球から発した光が三分後に到着する距離ということになります。そして三光分というのは地球と火星の位置関係として考えると、非常に接近している時期の距離であると言えます。
私たちはこの三光分の距離を移動し、火星に急接近した地点でロケットを停めて滞在したり、宇宙服で周辺を漂ったりと、与えられたミッションを遂行した後、無事故郷である地球への帰還を果たしたのです。
さて、突然なのですが、ここで私の幼少期についてお話させていただければと思います。
私が宇宙飛行士を志し、人類の宇宙進出の貢献という快挙に携わることとなった背景には、十歳の頃の大きな出来事が絡んでいました。
私、宇宙人に会いたかったんです。
空を見上げても、星が綺麗だなぁとか、月の模様が全然兎に見えないんだけどとか、そんなことしか思っていなかった、ただの女の子だったあの日。
――宇宙人さんと交信をした、あの日から。
***
『昨年大ブームとなったレーザー光線を活用した懐中電灯が発売中止となり……これまでの事故を鑑みて商品の回収と……』
屋上付きの二階建て。そこそこ立派な一軒家が莉子の実家だった。
その屋上、設置されたベンチに凭れ掛かりながら小さく薄い盤面の時計型コンピューター(二十一世紀前半に普及したスマートフォンと時計、テレビを融合したようなもの。直接的な操作は時計型の端末で行い、画面は3Dホログラムを用いていて触れることはできない)でニュースを流しながら漫画を読んでいた。
時期は一月。真冬であったが、ベンチの下には温風が流れる暖房器具が付いており、また地球温暖化が進んだことで極寒呼ばれるような過ごしづらい日々も減っていた為、真冬でも外で遊び回るような少女だった莉子にとって、真冬の屋上は大した苦痛にはなり得なかった。寧ろ家族が寄り付かない秘密基地のような場所として、冬の屋上を気に入っていたくらいだ。
そんなある日。何となく星空を見上げていると莉子は無数に散りばめられた光の中で一つ、気になる瞬きを見つけた。
星々の朧げな瞬きにしては光の収束と拡大の緩急が激しく、かといって飛行機程はっきりと明滅している訳ではない。
初めて気付いた日は気のせいだと片付けた。
しかし翌日も何となく気になって空を見上げて昨晩と同様の星を見つけると、以降も毎日それを確認するようになった。
子供らしい好奇心と期待が絡んでいたのだろう。
もし自分が見つけた星が『誰も発見したことの無い惑星だったら』、『自分にだけ備わった特別な力で見える何かだったら』など、妄想がいくつも過ってはそのどれもが期待と共に大きく膨れ上がっていったのだ。
そしてある日を境に莉子はその星の特徴に勘付く。
「なんか……決まった光り方してる?」
飛行機や背の高いビルのてっぺんに付けられた灯りのような単純な明滅ではない。しかしながら、何か規則性のようなものがあることに莉子は気付いたのだ。
果たしてそんな光り方をする星があるのかと疑問に思った莉子は時計型コンピューターのAIに様々な問いを投げ掛け始めた。
そしてAIを質問攻めにすること数日。
『火星移住計画の躍進が期待されていた世界初の移動距離……有人ロケット……により失敗……』
いつも通りニュースを聞き流しながらAIを駆使していた莉子は漸く『謎の星』の正体として腑に落ちる答えに辿り着いた。
「……モールス信号?」
遥か昔から存在する、光や音を用いた信号。
その正体に気付いた莉子が「宇宙から地球へ通信が来てるんだ!」と思い至ってからというのは、それはそれは慌てたものだった。
まず、急いで紙とペンを用意し、時計型コンピューターでモールス符号(モールス信号で用いられる文字コード)を表示しながら、送られてくる信号を紙へ書き写し、途中でモールス信号が母国語では対応できないものであることに気付いて慌てて父の電子辞書(消しゴム程の大きさ。音声認識と簡単なボタン操作のみで使用可能)をこっそり拝借して星空を見つめ続けた。
この間に二度階段を転げ落ち、一度自室の本棚をひっくり返し、母に二度と兄に一度、計三度騒音で怒鳴られた。
そして信号の書き写しと確認、モールス信号から英文に翻訳、更にそれを日本語へ翻訳という、十歳が手掛ける作業としては非常に複雑な過程を経た上で次のような一文が成り立つことが分かった。
『気付いてください』
決して独りよがりな言葉ではなく、返事を望む一文。
そして莉子こそが、その信号の望みに気付いたただ一人の人物だった。
莉子はその星まで届くように「届いた! 届いたよ! おーい!」と声を張り上げた。
しかしモールス信号は同じ言葉を繰り返し続けた挙句、顔を真っ赤にした母が屋上へ飛び込んで来た為にその日は屋上を離れなければならなくなった。
翌日。学校の授業を全て聞き流し、莉子は例の信号に自分の言葉を伝える方法ばかりを考えていた。
そして夕食を終えた頃。莉子は思いつく。
昨年流行した最先端の懐中電灯ならば宇宙まで届きそうだと。
丁度この頃、レーザー光線を用いた件の懐中電灯は失明や肌に悪影響を及ぼしたなど様々な問題が浮き彫りになり、それを発売した会社は商品の回収と返金、損害賠償の対応などに追われ始めていたが、幸いにも莉子がこれを必要としていた時期と返品の時期は僅かに被らなかった。
好奇心旺盛な父が興味本位から小遣いで買った高級懐中電灯。それを引っ張り出した莉子はコートやマフラーなど、長時間の屋外滞在を前提とした装いを整え、再び屋上に居座った。
そしてたどたどしくではあるし、英文法も出鱈目ではあったが、何とか次のような文章を送った。
『初めまして。見つけました』
小さな光へ向かって、一生懸命懐中電灯をつけたり消したりする。
最初は拍が合わずとても伝わるようなものではなかったが、何度も同じリズムで懐中電灯を操作する内、この短い二文を安定して繰り返すことが出来るようになる。
そして一時間が経過した頃。
文章を送ることに必死になっていた莉子はふと、送られてくる信号の変化に気付いた。
『気付いていますか』
解読に二時間かかり、その後安定して信号を打ち出せるようになるのに更に二時間かかった。
何故発信にこれほどまで時間を要したかというと、意思疎通が出来ていると確信して興奮が抑えられず、一度に送る文章量を欲張ってしまったから。
『はい。私は櫻井莉子です。十歳です。小学校四年生です。貴方は宇宙人ですか』
気が付けば時刻は午前二時を回っていた。眠気に耐え切れなくなった莉子は相手からの返事の確認を待たずして、眠りに就いた。
翌日の晩、急いで屋上へ向かうと返事が届いていた。
『はい。私は宇宙人です。地球の人とお話がしたくてメッセージを送っています』
自分は本当に宇宙人と交信をしているのだと知り、莉子は喜びと興奮で飛び跳ねた。
そしてその日から一人の宇宙人との不思議な交流が始まった。
『今日は夜中から曇りです』
『では少しだけしかお話しできませんね』
『そっちの天気はどうですか』
『こちらはいつも同じ景色です。雲はなくてとても暗いです』
子供の好奇心や意欲といった力は凄まじいもので。元々英語が得意でなかったはずの莉子は『宇宙人さん』との交流を経てぐんぐんと英語を上達させていった。それに加えて、絶対に学校では使わない、モールス信号の知識と技術も。
『今日はピーマンが出ました。苦くてまずかったです』
『そちらは色々食べるものがあるんですね』
『そうです。私は、給食でたまに出るういろうが好きです』
『地球の人は肉を好むと聞きました』
『肉も好きです。宇宙人さんは今日は何を食べましたか』
『私は一昨日から食べていません。でも話を聞いて何か食べたくなってきたので、スープを食べます』
『二日も食べなくても平気なんて、やっぱり宇宙人はすごいんですね!』
莉子と宇宙人の会話は、教室でしていてもおかしくないような、そんな他愛もない話が殆どだった。
しかし莉子にとっては、地球の外に住む、自分とは違う存在と会話ができることがただただ喜ばしく、また他愛もない会話の節々に垣間見える、地球上の暮らしとは異なる部分がとても新鮮だったのだ。
『宇宙人さんは地球には来ないんですか』
『いつか行きたいですね』
『え、会いたいです! 来てください! そしたら案内します!』
『是非。でも、私のいる場所はとても遠いんです』
『どのくらい? 一〇〇より大きいんですか?』
『とっても大きいです』
『すごい!』
『とっても遠いから、光が届くのも遅いんです』
莉子はこの時初めて、宇宙人との交信で発生するタイムラグの理由を知った。
会話の内容に悩んでいたりする以外の、光が移動している時間。それが今の時期だと五分半程かかるのだと。交信は光のやり取りを往復させないといけない為、莉子が信号を送った後、宇宙人の返信が莉子の元まで届くのには最短でも十一分程かかるのだということを、宇宙人は教えてくれた。
考えたこともなかったような宇宙の知識。それに触れることに莉子は純粋な楽しさを覚えていた。
『じゃあ、私が迎えに行きますね』
十五分が経っても返事がなく、莉子は同じ文章を繰り返してから続きの文章を送る。
『地球には宇宙飛行士っていう職業があって、宇宙に行けるんです。それになったら宇宙人さんに会いに行けますよね』
『そうかもしれませんね』
十五分経って、返事があった。
宇宙人から同意を貰えたこと、そして将来何がしたいのかが初めて確立されたことで莉子の感情の昂りは抑えきれないものになっていた。
『じゃあ私が大きくなったら、宇宙で待ち合わせして、一緒に地球に行きましょう』
『楽しみにしています』
それから数日が経った頃。
平穏で楽しかった日々は突然終わりの時を迎える。
交信の為に使っていた懐中電灯が電池切れの警告を映したのだ。
赤く光るスイッチボタンを見て焦った莉子は、懐中電灯の電池を換えたいと父に相談した。
そこで父は初めて、自室の隅に眠っていた懐中電灯の存在を思い出したらしかった。
父は自室から勝手に物を盗まれていたことに怒りはしなかったが、同時に新しい電池の用意もしてくれなかった。それどころか懐中電灯は捨てなければならないから持って来るようにと諭されてしまう。
しかし宇宙人との交流をどうしても続けたかった莉子はその場凌ぎに頷き、後で返す約束をして問題を先送りにした。
賢い宇宙人ならこの問題をどうにかしてくれるのではないかと考えたのだ。
そしてその晩、莉子は宇宙人へ事情を説明した。
『丁度良かった。懐中電灯は諦めましょう』
しかし宇宙人からの返事は、莉子の期待していたものではなかった。
『どうして? これがないとお話しできなくなるんですよ。折角友達になれたのに』
『確かに、友達とお話しできなくなるのは悲しいです。でもそろそろ私の懐中電灯も電池が尽きてしまうんです。地球には電池があるかもしれないけど、私の星にはもう電池がないんです』
『どうにかできないの』
『難しいですね』
『嫌だよ』
二十分間が空いて、莉子はもう一度『嫌だ』と主張をした。
そんな一方的な送信が数度続いた時。
『リコさん』
と、信号が送られる。
『何』
『最後に、大切なお話をしたいので、聞いてくれますか』
『うん』
本当は嫌だと答えたかったが、莉子はそうしなかった。
これまでの交信で、莉子が話題を振ることはあっても宇宙人から話を切り出すようなことはなかったのだ。
だからこそ、宇宙人が本当に大切な話をしようとしているということを莉子は子供ながらに理解した。
『私の名前は地球の言葉で『カイ』と言います。仲間と逸れてしまって独りぼっちでした』
日頃から、宇宙人『カイ』のモールス信号は莉子のものに比べればずっと丁寧であったが、この時の長文はそれ以上に慎重に送られていた。
莉子もまた、それを取り零さないように、必死に紙へ書き写していた。
『このままずっと独りぼっちだと思っていた時に、莉子さんが気付いてくれてとても嬉しかったです。それに、会いたいと言ってくれたことも』
『カイ』が別れの準備をしていることを文面から悟り、莉子は寂しさから静かに涙を流した。
楽しかった時が終わろうとしていることに実感が伴って来たのだ。
『一つ、お願いがあります』
『何?』
『いつか、私に会いに来てください』
数日前にした約束だった。それを今度は『カイ』から告げられる。
『勉強もスポーツも頑張って、友達をたくさん作って、いっぱい遊んで、素敵な宇宙飛行士になってください。そして私に会いに来てください』
莉子は返事を送ろうと懐中電灯を握り直す。
しかしすぐに続きの文章が送られて来た。
『宇宙は広くて綺麗な場所です。莉子さんならきっと気に入ります』
そう伝える光。その周辺で無数の星が瞬いている。
十一分。返事が続かないことを待ってから莉子はすぐに信号を送り返した。
『行く。約束する』
『はい。大きくなった莉子さんに会えるのを楽しみにしてます』
莉子は溢れる涙を必死に拭いながら夜空を見上げ続ける。
そして五分程間が空いて――最後の文章が送られる。
『さようなら、莉子さん。私の友人』
『バイバイ。またね、『カイ』さん』
それを最後に、十歳の少女と宇宙人による不可思議な交信は途絶えたのだった。
***
さて、宇宙人の友を持った十歳の少女はその後、晴れて宇宙飛行士となりました。
勉強も水泳部も頑張って、沢山できた友達とショッピングをしたりテーマパークに行ったりしたせいで金欠になったりと充実した人生を送った後に。
私は宇宙飛行士の仲間と共に地球から五千五百八十四万キロメートル離れた地点へと飛び出しました。
そしてそこで本当に小さな小惑星を見つけるんです。
ただの岩の塊みたいな、宇宙ではそこら中に散らばってるような、なんてことの無い小惑星です。
そこに、信じられないものがあったんです。
――ロケットです。
周辺の様子を観察していた時のことでした。私たちの乗っていた機体が、小惑星に着陸している人工物を見つけたんです。
私たちは地球とこまめに連絡を取りながら、その小惑星とロケットの調査を行いました。
ロケットは故障していました。そして非常に劣化していました。
一瞬、宇宙人の所有物かと思い身構えたりもしたのですが、すぐにわかりました。UFOではありません。ロケットの名前――英語がボディに書かれていたんです。
そしてそのロケットの正体はすぐに判明しました。
三十年前、今回の私たちと全く同じミッションを背負い地球を飛び出した同志たちの機体だったのです。
過去、今回よりも遠く離れていた火星へ近づこうとした彼らはロケットの設計ミスによって地球を離れている最中に通信が途絶えました。
……私たちが地球へ送った画像のデータなどから調査を進めたところ、三十年前の同志を乗せたロケットは通信が途絶えた後小惑星へ半ば激突するような形で不時着、故障し、搭乗者らは帰還の道を封じられた――このような経緯が明らかとなったそうです。
――もうお分かりですね。
私の人生を大きく揺るがした、『宇宙人さん』の正体が。
今回私たちが連れ帰った五名の同志……三十年前の先輩方の中には一名、同郷の男性がいらっしゃいました。
『塚本海』宇宙飛行士は三十年前のプロジェクト唯一の日本人参加者であるだけでなく、愛知県出身という所まで同じなんですよ。
嘘みたいって思うでしょう? 私だって思いますよ。
こんな偶然あります? どおりで給食にういろうが出るなんて話で突っ込まれなかった訳ですよ。
五千五百八十四万キロメートル先まで行って、同郷の人に会うってどういう確率ですか。
火星とほぼ同じ軌道を辿る小惑星。そこに不時着していたおかげで私たちは偶然彼らを見つけることが出来ました。
約束は覚えていました、ずっと。大人になるにつれ、『カイ』さんの正体も見当はついていたんです。
でも……本当は少し諦めていました。果てしない宙の中で米粒程の存在にすらなれないような人間を見つけるなんて、って。
いやぁ、人生っていうのは何が起こるかわかりませんね。本当に。
……彼が最後まで宇宙人を演じてくれたのはきっと、子供の夢を大切にしてくれたのだろうと思っています。
寂しかったし怖かったと思うんですけどね。
宇宙飛行士は、どうしたって危険が付きまとう職業です。いつ死んでもおかしくはない。
けど初めて宇宙を見た時、私、心の底からこの職を目指してきてよかったと思えました。
美しかったんです。果てしなく広く、どこか残酷さを感じさせるような宙の光景が、どうしようもないくらい。
きっと彼もそうだったから、死を悟った身でありながらも私の背を押してくれたのではないでしょうか。私の子供心をよく理解してくれていたのではないでしょうか。
……宇宙飛行士ってきっと、夢を拗らせて拗らせて拗らせまくった、子供心を持った大人がなるんだと思います。
きっと私も彼と同じ立場に立つことがあれば同じことをするんだと思います。
……ありがとう、『カイ』さん。
且つて『火星移住計画』という人類の希望を背負い、そして長い時を経て帰郷した同志たちへ最大限の敬意と称賛を。
また、共に地球を発ち、帰還を果たした仲間たちへ感謝を。
そして深い愛情を――六光分と三十年先で待っていた友へ。
今一度、捧げたいと思います。
ありがとう。おかえりなさい。
***
そう話した櫻井莉子宇宙飛行士はこの後、今回の宇宙飛行における活動の詳細など、より専門的な報告へと移った。
それから月日が流れたある日のこと。
彼女やその仲間が降り立った小惑星に名前が付けられる。
三十年前、人類の貢献の為に尽力した宇宙飛行士たち。彼らが搭乗していたロケットの機番に因んだ名。
その小さな小さな星は、業界では忘れられることの無い、特別な意味を持つ小惑星となったのだった。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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