表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
工業高校はデスゲームに最適です  作者: 霧ヶ峰藤五郎
序章 勇者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/18

1棟 9幕 未熟な勇者

致命の一撃 獲得条件レベル1になる


両足、もしくは2本以上の脚で身体を支えてない状態、

片膝をついている状態、

睡眠状態もしくは寝そべっている状態の敵にのみ

使用可能なスキル。

武器のダメージ値×武器の致命倍率×6(致命基礎倍率)

の計算でダメージが上がる。

武器致命倍率が高い順番から

短剣

小太刀

直剣

曲剣、曲刀

刀、槍

太刀、大剣

槌、拳

大槌

素手

の順番で高くなっている。

レベルアップ、サーチアイ等と共に基礎スキルに分類。

「そっち行ったぞ!」


剣で屍騎士(エリアボス)の大剣攻撃を受けつつ、

小川達に雑魚が接近した事を伝える。

だが小川達は気にせずエリアボスに攻撃を放っている。

小川達と6mくらいまで近づいたゾンビの頭に

いきなり槍が刺さる。

1秒ほど硬直した後、

ゾンビは槍を抜くために穂の付け根あたりを掴むが

それよりも早く槍を投げた本人が柄の先に飛び乗り、

テコの原理でゾンビの頭をかち割る。

聖属性の槍のため、蘇生できずにゾンビは力尽きる。


槍を振り血を飛ばすこの男は「佐藤 颯人」

俺たちのクラスメイトで、土魔術と槍の達人。

今回のボスレイドで杵鞭と一緒に、

後衛の護衛に回った。

正直、連携だけでいえばこの2人に並ぶのはもう

清水と塚野くらいだろう。

それ程に連携に穴が無い。

2人の足りない部分を補い合っている。

それもピースパズルのようにキッチリと。

そういえばかの世界では

無限の連携を誇る4兄弟の小人族(パルゥム)がいたっけ。


そんな話は置いておいて目の前のボスに集中しよう。

目の前にいるエリアボスの名前は

「The Zombie Knight」

レベルは25。

馬の機動力と槍の圧倒的リーチが武器のボスだ。

だが馬と槍さえ取ってしまえば

ただの屍に成り下がる。

俺たちは回避に専念しながら馬を積極的に狙い、

馬から殺した。

落馬した時に与えた大和の致命の一撃が

かなり効いたらしく、ことある事に喉を抑えている。

槍を弾かれて武器をなくした屍騎士の拳振り下ろしをサイドステップで避け、短剣で喉を突き刺し、

HPを削り切る。


屍騎士の身体が崩壊していき、

クエストクリアログが現れる。


「っし!」


小川と俺がグータッチする。

他のメンバーも安堵した顔を見せてそれぞれ

喜び合う。

__________________________________________


「「「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」」」


講堂にいつの間にかできていた酒場で木製ジョッキ

をぶつけ俺たちのギルド、

未熟な勇者(ルーキー・ブレイバー)

のメンバー8名で乾杯する。

皆がそれぞれの飲み物を飲んでいく。

日本じゃ未成年飲酒は犯罪だが生憎ここは異世界。

つまりここじゃ酒飲んでも良いということ。

ということで殆どの人がお酒を飲んでいた。

颯人だけ林檎ジュースを飲んでいた。


ちなみに俺が飲んでいるお酒は

これまたいつの間にか出来ていた

小麦畑で出来た小麦を使っている。

まぁ小麦だけだとビールを想像するだろう。

アレだと苦く、飲みにくく感じたが、

このエールにはショップで買える

回復用の林檎の果汁混ぜてあり、甘くて飲みやすい。

それになんと18時間、減少HPの20%を回復する

リジェネ効果も着いてくる。

めちゃくちゃ強い。


「しっかし、3層はキツかったな。

ゾンビとキョンシーが聖属性以外じゃないと

蘇生するから2回分HP削りきらないと行けないのが

かなりハードだった…」


山口がぼやる。

こいつは基本的に物理属性しか無いので本当に辛そうだった。

まぁこんな世界に来て拳で戦うコイツが悪いのだが。


「とはいえ対処法がなくても蘇生は1回までだったのが

助かったな。

とあるゲーム会社とかなら序盤のダンジョンで

無限蘇生してくる骸骨とか平気で配置するからな。」


「うげ、怖」


大和と山口が談笑してる。

普段なら勝てもしないのに大和が山口を弄るが、

さすがにこんな所では弄らないか。

場を弁えてるのだろう。

おじさん成長に涙が止まらないよ。

心の中で馬鹿にしてるのが分かったのか

大和が俺の足を踏んずけてくる。

俺は踏まれた痛みで飛び上がり膝をぶつけ悶絶する。

その姿を見て酒場が笑いに包まれる。


不貞腐れつつも席に戻った俺はエールに映った

自分の顔を見ながら物思いにふける。

色々大変な事はあったが、

まぁ何はともあれ遂に1棟4層まで到達したのだ。

後もう少しで遂に次の棟へ。

俺はそんな事を噛み締めてエールを一気に喉に通す。

__________________________________________


「よっ!大和!来たか!」


「おう!絆那(きずな)。出来たか。」


翌日の朝、俺は大和と講堂に来ていた。

大和は「長谷川 絆那」に手を振り、金床の前に立つ。

大和は2層のトラップで現れた獄甲虫(ヘルビートル)を倒して

手に入れた素材を絆那に渡して、

オーダーメイドの武器を依頼していたのだ。


「正直加工にだいぶ苦戦したが、傑作が出来たぜ。」


そう言って絆那が大和に手渡した武器は

カブトムシの角を模したような形の直剣と短剣だった。

大和は言わずもがな興奮しているが

正直俺も一目見て興奮が抑えきれなかった。

そう、この武器クラスが星7つなのだ。

エリア難易度が星2つだから、3倍を軽く越す、

4棟クラスの武器。


それだけじゃない。

なんなら1番大事な事が残っている。

そう、見た目がどちゃクソにかっちょ良いのだ。

基本色は黒だが、そこにヘラクレスの金色のライン。

持ち手もよく見るとカブトムシの脚を模しているが、

全く不自然じゃない、それどころか刀身とピッタリだ。


俺と大和はワクワクしながら絆那に武器の名を尋ねる。

絆那は少し引きながら答える。


「その武器の名は

『双刃角 上弦』『双槍角 下弦』だ。」


「やばい。厨二心を擽り過ぎるぞ。

なんなら指突っ込まれてるまである。」


大和がふざけながら感想を答えているが、

俺も厨二心を擽られた。

2人がめを輝かせながら武器を眺めているのを見て

絆那は続ける。


「その2振りの剣はセットで装備するとバフがかかるんだ。

それと…」


「「それと…?」」


「合体する。」


「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」」


お前ら聞いたか?

合体だぞ!

男のマロンだぞ!

合体と聞いて子供のようにはしゃぐ俺と大和。

まぁ名前からギミックまでどこぞの

鳥頭のクソゲーハンターが使ってそうだが。


だがそんな事よりも!

どう合体するのかが気になる。

思ったらすぐ行動。

絆那に合体したらどんな風になるのか聞いた所、

「合体するギミックは知ってるがどんな風に合体するかは分からん」だそうだ。

まぁ戦ってればそのうち合体出来るだろう。

__________________________________________


数回4層の視察も兼ねて双刃角と双槍角の検証をしに行ったのだが、大和のレベルが高すぎてモンスターを

瞬殺してしまう。

俺が試してみようと大和から受け取ってもステータスが足りなくて装備出来なかった。


だが、この視察で分かったこともある。

この層は亜人系モンスターの層で、

メインの敵はゴブリン、コボルド。

どちらとも今までの敵は使ってこなかった

スキルを使うようになる。

ゴブリンだと短剣や槌。

コボルドだと斧や直剣といったように

武器スキルも使って来るから、

今までよりも一撃、一撃が強い。


それと大和が、


「この武器、攻撃が当たると視界の左下辺りにゲージが出てくる。

多分攻撃を当て続けるとゲージがMAXになって合体出来るんだろう。」


とも言ってた。

まぁあのレベルだと何度も攻撃を当てるのはボスくらいだろう。

そんなことを思いつつ4層を進んでいく。

1棟4階。

そこは俺達が勉強していた教室がある。

2-1から2-4まで。

そして遂に今日、2-3に辿り着く。

見慣れた筈の教室はかなり広くなっており、

俺達のロッカーの前に大きな人影が見える。


「成程な…ここは保健室みたいなボスを倒したら

セーフティエリアになる部屋なのか。

ボスに挑むようなメンツじゃないし、1回戻るぞ。」


小川が俺たちに提案するが大和はそれを振り切り

ボスの前まで行く。

小川は怒りながら止めるが大和は歩き続ける。


「ボスに挑むなら行動パターンは覚えておきたいだろ?

それに…」


大和は背中と腰から剣を抜き、顔の前まで持ってきたかと思うと小川に目をやり、ニヤリと笑う。


「俺にはこれがある。」


俺と小川がポカーンとしてると、

大和がはしゃぎ出す。


「いやーこのセリフ聞いた時から言ってみたかったんだよねー!元ネタはマグナム構えてだけど。」


二ヒヒと笑い、大和がボスの前に立つ。

するとボスが目覚め、HPゲージが現れる。

名前は『Giant Troll』レベルは21。

武器はシンプルな大剣を持っていて、

骨は浮き出ているが大剣を軽々片手で持てるくらい大きい。

3mはあるだろうか。

トロールが大きく咆哮すると

部屋中の空気がビリビリ震えるのが分かる。

大和は短剣を指で回し、掴む。


「来いっ!」


トロールは大きく踏み込み大剣を振り下ろす。

大和が奴の大剣振り下ろしを受け流し、

軌道を変え、間合いに滑り込む。

そのまま短剣で水平に腹を裂いて、

剣を持ち替え、垂直に跳ねながら

顎の辺りまで斬り裂く。


切られた所を抑えながらトロールは大きく咆哮して

大剣を横に振り、大和の着地を狙う。

大和はそれに気づき、トロールの頭に短剣を刺して


短剣に掴まり、着地を遅らせる。

トロールが大剣を振りすぎて壁に剣を当てるのを見た

大和は横向きに刺していた短剣を捻り、


そのまま直剣と短剣で回転撃スキルを魅せる。

トロールが膝を着き、立ち膝になる。

これ以上攻撃を食らいたくないと思ったのか

トロールが大剣を立ててガードをする。

だがそれは悪手だった。

大和の双剣が青く光り、斜め十字振り下ろし、

斜め十字斬り上げの4連撃技が大剣に直撃する。

3,4撃目で大剣が粉々に砕け、隙が出来た。


大和は飛び込み両足を回転撃スキルで破壊する。

トロールは両腕を着き、体勢を崩す。

大和は一瞬目が丸くなったと思ったら直ぐにニヤリと笑い短剣と直剣をぶつけ、()()()()()


その見た目は片手剣のままだが、短剣と合体した事で

剣と剣が向き合い、まるで獄甲虫の角のようだ。

大和は合体して出来上がった剣を空中で回し掴むと、

剣が桃色に光り、トロールの喉に刺し込まれる。


だが、それだけではなかった。

大和は持ち手に着いたトリガーを押すと

短剣部分が勢い良く稼働して直剣部分と喉を挟み込むように切り込む。

大和はそのままトリガーを押し続けながら

腰を入れ、引き抜く。

喉の中心から左側が大きく裂ける。

トロールは血を吐きながら倒れる。

手を伸ばし大和に攻撃しようとするが力尽きる。


クエストクリアのログが流れアイテムを貰う。

あっさり終わってしまった。

3人しかいないのもあるが、ボスを倒したのに

ここまで静かなのか。

大和がアイテム整理をしながら歩いてくる。


「思ったより弱かったな。

この剣じゃなくても倒せたかもしれねぇ。」


大和はインベントリを操作して大剣を取り出すと

俺に投げてきた。

その大剣はトロールが使っていた大剣だった。

訳を聞くと

「俺敏捷型だし、筋力値がそもそも足りない。」

だそうだ。

つまり要らねぇもん渡してきたってことだ。

1発殴りたい。

だがまぁ剣はありがたいので貰っておく。

俺はインベントリに大剣をしまうと大和に尋ねる。


「どうする?このまま進むか?それとも休むか?」


大和は腕を組んで少し悩んだ後、


「休もう。休める時に。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ