表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
工業高校はデスゲームに最適です  作者: 霧ヶ峰藤五郎
序章 勇者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/18

1棟 6幕 非力な戦闘職

探検日誌1689日目。


(腐敗が進んでおり読めない)

は洞窟を見つけ、命からがら逃げ込む。

この世界が闇に包まれて何年がたっただろう。

毎日毎日強くなるモンスター相手にただの人間がどうしろってんだ。

ただのトカゲにすらもう勝てなくなった。

王国に帰ろうにもナイトがい(腐敗が進んでおり読めない)光。それが鍵だ。あの闇を打ち払うには(破れていて読めない)

ウサギのレベルが2なっていた。

たった一日でレベルが5も下がっていたのだ。

何かカラクリがある筈だ。何か。

俺はそれを必死に考える。

どういうカラクリでレベルが変わるのか。

俺はそれを考えてる内にいくつか仮説を立てた。


1つ目は最初だからレベルが高かった。

これは考えている時にライカンのレベルが1だったのを

思い出して除外した。


2つ目はレベルがランダムでリポップする事。

俺はこの仮説を証明するために翌日リポップした

ウサギのレベルを見たが2のまま。

4日ほど見たが全て2のままなので、

レベルがランダムでリポップするのは無さそうだ。


そして、3つ目。

今これが俺の中での最有力候補。

それが、リポップと同じ条件、

もしくは近い条件でレベルが上がっていく事。


校内に散らばっているこの世界の設定資料を読むと

この世界では闇とモンスターは非常に密接な関係に

あるらしい。

ならば、モンスターが闇によって再び生まれるなら、

モンスターが闇によって強化される事もあるのでは?

と考えたからだ。


そこで俺はリトルラビットを1匹倒さずに残してもらい

観察することにした。


20時

観察開始。

ウサギは廊下に生えた雑草を食っている。

いくらモンスターでも腹は減るらしい。


21時

周りを偵察した後、丸くなる。

おそらく寝ているのだろう。


22時

変化なし。

ここで大和と交代。


1時

大和に起こされ、交代する。

既にリトルラビットはリポップしており、

3匹に戻っていた。

レベル全て2。


2時

リポップしたリトルラビットも眠りにつく。

元からいたやつは腹が減ったのか起き上がり、

廊下を歩き回り、時々雑草を食う。


3時

満腹になったリトルラビットは再び寝る。

まだレベル2。


4時

変化なし。


そしてついに5時になった時変化が現れる。

リトルラビットが闇に包まれたかと思うと

頭上のレベルが3に変化する。

周りにいたリトルラビットが跳ね起き、

レベル3のウサギに頭を垂れる。


その奇妙な光景を見ながら俺はメモ用紙を取り出し、

書き起す。

これで夜明けと共にレベルが上がる事が確定した。

やはりこの世界では夜…闇が大事なのだろう。

俺はこの事を3年生達に伝える事を大和に言って眠りにつく。


この世界に来て20日目。

順調にウサギでレベルを上げていた俺達だったが、

ここで恐れていた事態が発生する。

レベル15に到達した時点でリトルラビットが落とす経験値が1に固定されてしまったのだ。

リトルラビット一兎が落とす経験値は35。

それが1になったのでもちろん効率は著しく悪くなる。


そこで俺たちはついにこの先の部屋を視察することになった。

場所は保健室。

おそらくリトルラビットが何匹かいる程度だろう。

そう1年生が言って出ていってしまった。


保健室にはレベルが上がったウサギがいるはず。

いくらウサギでもこの前のライカンのように

50匹もいたら対処は難しくなるだろう。

だが、この前のライカンと同じなら

保健室には何もいないという事になる。


そんな状況なら1年生達は帰ってくるだろう。

そう思うことにして俺は武器の点検をしてもらうため

講堂へ向かうのだった。


講堂に着くと永井と西潟がライカンをバラしていた。

2人は俺に気がつくと手を振ってくれた。

俺は手を振り返し、鍛治スキル持ちの長谷川に

会いに行く。

長谷川の寝泊まりしているテントに着くと長谷川は

鉄を打っていた。

おそらく武器を作っているのだろう。


長谷川が打っている鉄はもうほとんど剣と言って遜色ない物だった。

完成が近いのだろう。

俺は長谷川が剣を打ち終わるのを近くに座って待つ。

長谷川が鉄を打つたび、鉄は変形していき、不純物が落ちていく。


その姿を見ている時のこの気持ちをなんと表せば良いだろうか。

君達も分かるだろう?鉄を打ち剣を完成させる。

その姿を見るとどうしてこんなにワクワクするのだろうか。


長谷川が小槌に持ち替え形を整えていく。

姿を見るのも好きだが音を聞くのも好きだ。

鉄を打つ度なる金属音。

鉄を打ち冷やす時の蒸発音。

釜の炭が崩れる音。

全てが美しい。


無論、全員に分かれ。と強要する訳では無いが、

きっと大和ならそれを分かってくれる。

アイツもこの剣を打つという一種の芸術の良さを。


等と感傷に浸っていると、剣を打ち終わった長谷川が

俺に声をかけてくる。


「歩夢?大丈夫か?」


タオルで滝のように出ている汗を拭きながら歩いてくる。

くそう、顔が良いぜ。

サラサラした髪にセンター分け。

造形はイケメン系では無く、カワイイ系。

極めつけは着こなしだ。

ワイシャツの袖をまくり、

ボタンは第二ボタンまで開けている。

同じワイシャツなのに何故こんなにも差が出るのか。

とまぁそれは置いておいて、

俺は長谷川に剣を渡しながら


「整備を頼む。3日後にはボス戦だからな。」


長谷川は剣を受け取り、大きく胸を叩き答える。


「おうよ!任せとけ!」


そうして長谷川に剣を預けた後、

ショップで基本直剣を購入し、装備する。

高田先輩の遺品である「断罪の剣」と比べたら

威力はガタ落ちだが、ないよりマシだ。


そうして剣を鞘に入れて教務室に戻ると

彼らが戻ってないと言う。

不思議に思い、

俺達のパーティは保健室に向かう。


保健室に着くと、金属音と悲鳴が聞こえてくる。

俺たちは急いで保健室の扉を開ける。

すると中にいたのは4mはあるだろうトカゲと取り巻きのウサギが6匹。ウサギの死体が4つ。

合計で10匹のウサギと相手にしながらトカゲとやり合っている。


トカゲの名前は「リザード・オブ・デストランクション」

意味は破滅のトカゲってとこか。レベルは12。

3人でどうにかなる相手じゃない。

俺はショップで煙幕玉を購入してデカイトカゲに投げつける。


トカゲが煙で1年生達を見失っている間に

小川達がポーションをかけながら

部屋の外まで連れていく。

1年生達のHPは残り1割も無かった。

もう少し助けるのが遅れていたら死んでいただろう。


相良とクラスメイトの星野が回復魔法と治癒魔法で

1年生達を治す。

3人が息を整えてから状況を説明してもらう。


まず、部屋に入るとウサギが2匹いたそうだ。

部屋にモンスターがいるなら罠じゃないと思って

そのウサギを倒すために部屋に入った瞬間、

ウサギが鳴き声をあげ、

あのトカゲとウサギが追加で8匹出てきた。


何とかウサギ達をいなしながら外に出ようとするも

内側からは開かない仕様だったらしく、

そのまま油断したところにしっぽ攻撃をくらい、

HPを大きく損傷。


このままだと死ぬ!

って所にオレたちが来たって感じらしい。

本当に間一髪だった。

だが、あのトカゲは何としてでも倒したい。

アソコはここと同じような構造で、

MOBを全滅させたら安全エリアになるかもしれない。


だが、問題なのは…


「レベル12のデカトカゲとレベル7のウサギが10匹。

部屋はここと同じくらいらしいからここにいるヤツら

全員でのレイドは不可能。戦えて6人ってとこか。

今ここにいるヤツら6人じゃどうしようもないぞ。」


そう、ここにいる人たちはそこまでステータスが高くない。

少し、説明しよう。


この世界に来て、思ったことがあった。

ステータスが数値化されているが、

体に違和感はなかった。

恐らく向こうの世界の体のまま転移させたのだろう。

だがそれだと2つ矛盾が生まれる。


まず一つ目。

ステータスが圧倒的に劣っている場合だ。

その人の基準値で10になる事も考えたが、

筋力のない長井が俺と同じくらいの筋力になった事を踏まえると、劣っている場合はある一定の基準値まで

引き上げられるのだろう。

大野も頭が良くなった気がする!とはしゃいでいた。


そして二つ目

それは逆にステータスが基準値を大きく上回る場合。

その場合は基準値に戻されるのかと思ったが、

そんなことは無く他の人よりも高い数値での

開始になるらしい。

特にうちのクラスのTOP2、塚野と清水は

知能以外のステータスが全て30オーバーとかいう

規格外のステータスでの開始となっていた。


それと、この世界ではランク制度がある。

ステータスの合計値が一定値を超えると

ランクが上がる。

ランクは下から


ブロンズ


シルバー


ゴールド


プラチナ


ミスリル


オリハルコン


アダマンタイト


の7つ。


ランクが上がるとバフが付いたりするらしい。

ブロンズが初期ランクである。

シルバーの塚野と清水の場合は筋力値が5%上昇。

ブロンズの俺達はバフ無し。

などとランクが上がるのは基本的にいい事だ。

シルバーの条件は

「合計ステータス値が100を超える事。」


清水の初期ステータスは

STR 38

VIT 47

DEX 32

AGI 45

INT 10


塚野の初期ステータスは

STR 46

VIT 32

DEX 31

AGI 44

INT 10


2人とも見事なまでに条件を達成している。

だから彼らは1レベルからシルバーランクだったのだ。

筋力は更に5%上がるのだからもう恐怖しかない。


もちろん、これではどんどん差が開いてしまう。

しかし、最近知った事なのだが

称号は付けるとバフがかかったりしてお得なのだが、

その称号を消去することでスキルポイントが貰える。

それと、筋トレや勉強でもステータスが伸びたり、

スキルや武器も使えば使うだけ熟練度が上がり、

進化したり、威力が上がるらしい。


話が逸れたが、

ここにいるのは基本的にブロンズランク。

今回の戦いではシルバーランクが最低でも2人は欲しい戦いだ。

清水と塚野は「俺達は自分のペースでやるよ」

と言っていたのであまり期待しない方がいいだろう。


他にシルバーの知り合いも居ないし、

何とかして俺達がシルバーになるしかない。

だが、俺と小川の初期ステータスはオール10。

相良は知能値が初期で+6。

大和も敏捷値が初期+3、知能値が+2。


1番可能性があるのは相良だが、生憎相良はヒーラー。

シルバーのバフは筋力値上昇だから、

ヒーラーには恩恵が薄い。

小川も同様だ。

大和はスキル故にサポーター兼アタッカーなので、

常に前にいる訳では無い。

やはり俺がシルバーにならなくてはならない。


俺はウサギの肉を喰いながら今後の事を考える。

ここに来てから毎日筋トレは続けてきた。

その成果なのか2日前、突然筋力値が5上昇していた。

今の俺のレベルは15。

合計ステータス値は2日前のも合わせて85。

称号、「殺人者」「正当防衛」(この2つは植木を殺した時に入手した)を消去しても95。5足りない。

どうしたもんか…

等と考えているとウサギの肉を食い終わる。


すると、突然ウィンドウが出てくる。

歩夢は不思議に思い、そのウィンドウを覗き込む。

隣にいた小川と大和も覗き込む。

そこには、


「対象生物捕食確認…新スキル付与?」


捕食の効果か。

そういえば捕食した際に

捕食生物の経験と技を獲得するって書いてあったか。

えーっと何何?獲得スキルは?


プレイヤーネーム「高橋 歩夢」に新スキル「疾走」を付与します。


追加して、エンティティネーム「リトルラビット」の経験値を付与します。


「高橋 歩夢」Lv15→16

スキルポイント5付与。


称号「虎に睨まれた兎」を獲得。


目の前を覆い尽くすウィンドウの文字に俺は

空いた口が塞がらず、2分程その場で固まった。

__________________________________________


「んで?お前は知らないうちに捕食を発動させて?

新スキルを獲得して?

レベルも上がってランクが上がって?

ボス戦の準備がお前だけ終わったって?」


正座して座る俺に大和は

腕組をしながら詰める。

まぁ無理もない。

あまりにも突拍子すぎるのだ。

たが一つ訂正しなければ


「違う!大和!俺はまだ準備は終わってねぇ!

まだ長谷川が俺の剣を整備してる!」

「そんなんお前がすることは無いから

お前の準備は終わってると同義だろ。」


くそう、なんだコイツ。

性癖終わってるくせに。

と心の中で罵倒するが、そっぽをむく俺に大和は

額に手を当て溜息をつく。

そのまま


「まぁいいさ。

出来ることは今のうちにしておくのは大事だしな。

それに俺もあと5ポイントでシルバーになってたし

俺じゃなくてもすぐに誰かそうなってただろ。」


なんだコイツ、急に優しくなったぞ。

器が広いって事を言いたいのか?

お前が広いのはストライクゾーンだけだろ。

そんな事を考えていたら大和が、

目に見えてイライラし始める。


「とにかくだ、次からはせめて相談くらいしろよ。

突然シルバーになられて『はい!ボス戦行きましょう!』とは行けねぇからよ。」


なんだコイツ、俺はそんな事言った覚えは無いぞ。

まさかコイツ被害妄想が激しいのか?

だったら可哀想に、相談できるやつもいなくて

ここまでの━━━━━━━━━━━━━━━

そこまで言った刹那、俺は空を飛んでいた。

腹にタケコプター付けたかなってくらい飛んだ。

そのまま俺のテントに落下する。

大和は手を下ろしながら


「全部聞こえてるわ!!せめて心の中に留めとけ!!

あとそんなに性癖終わってねぇから!!」


俺はその言葉に堪忍袋の緒が切れ、

起き上がりながら大和に言い返す。


「は?!NTRが好きな奴は総じて異常性癖だわバーカ!!」

「んだと?!」

「あぁ?!」


そのまま俺と大和は朝まで喧嘩したのだった。


称号「喧嘩するほど何とやら」を獲得

__________________________________________


そうして決戦の日。

偵察も兼ねた第1次保健室奪還レイド

メンバーは

俺、小川、相良、大和、山田、牧の6名。

山田と牧は俺と同じ部活の2年生だ。

スキルは山田が身体強化と身体硬化。

牧が水魔法強化と防御魔法強化。

基本的に山田と俺がタンク、

大和が近接ダメージディーラー、

小川と牧が魔法ダメージディーラー、

相良がヒーラーで行く。


剣の整備は間に合わず、

俺は基本直剣のままでの戦闘になる。

少し不安は残るがきっと大丈夫だ。

俺は自分に暗示をかける。


俺は保健室の扉に手をかけた後、

5人の方へ振り返る。


「今回俺達は偵察を兼ねての戦闘だ。

危なくなったら即時撤退。

錬金術師に作ってもらった、

この転移魔法が刻まれている転移石を使うこと。

今回の目的は倒すことじゃない。

とはいえ、今この場にはシルバーランクが2人いる。

勝てない戦いじゃない。」


そこまで言って俺は保健室の扉に再び手をかける。


「行こう!!」


そうして俺達は保健室に入り、

決戦の火蓋が今、切られた。

__________________________________________


情報通り、

トカゲのボスが1匹、

ウサギが10匹。

その中でLv7が6匹、Lv4が4匹。

恐らく2日前1年生達が倒した奴らだろう。

まずはボスと集中して戦うためにウサギを

全滅させる方針で動く。


4匹のウサギが突進してくる。

俺はそれを横に切り払い、両断する。

他の奴らも回避して魔法を使うなりで倒す。

恐らく偵察代わりに使われたのだろう、このウサギは。


俺たちの力量を見切ったと言わんばかりに

そのままトカゲが俺たちに猛スピードで走ってくる。

俺はそれを上に飛んで避け、回転斬りでトカゲの背中を斬り裂く。

だが、硬い鱗であまりダメージは通ってない。

トカゲは俺の方に頭を向け、長い舌を震わせながら口にしまう。


俺は着地しながら今の状況を整理する。

残ったウサギ6匹を対処するまでの数分間、

俺がひとりでこのトカゲを抑えてなければならない。

出来るのか?

トカゲを抑えるだけなら山田の身体硬化の方が適任のはず。

いや、考えるのはよそう。

俺は今こいつを抑えなきゃならない!


俺は大きく叫びトカゲに向かって走り出す。

トカゲもそれに合わせて口を大きく開けて向かってくる。

さっき突進してくる時、

トカゲの口は鱗で覆われてなかった!

だったら!

俺は大きく開けたトカゲの口に剣を入れ、

そのまま走り、頬を斬り裂く。

トカゲは大きく裂けた口で血を噴き出しながら断末魔を上げる。


だがトカゲはまだ立ち上がる。

まだ死んでない!

俺はまたトカゲに向かって走り出し、今度はトカゲの

前足の膝の裏を斬り裂く。

鳴き声を上げながら

自分の体を支えられなくなったトカゲが床に伏せる。

行ける!

そう思った刹那、

トカゲの口から数十本の舌が現れ、

ブンブン振り回す。

俺は舌を何本か切ってもその圧倒的物量に耐えきれず、一撃貰ってしまう。

ガフゥッ!!と声と血を漏らし、その場に跪く。

そのまま体制を崩した俺に何本もの舌が鞭のように俺の骨を砕く。

みるみるHPも減っていく。

このままだと死ぬ!


とそう思ったその時、突然トカゲに炎の球がぶつかり、爆発してトカゲの攻撃を中断させる。

そして俺の身体が緑の光に包まれHPが回復して、

損傷した骨も治っていく。

相良だ。

相良が治癒魔法で俺の身体を治してくれた。

そして火の玉を撃ったのは


「小川…」


小川達がウサギを倒し終わり、こちらを向いている。

そのまま小川が続ける。


「歩夢!何美味しいとこ持ってこうとしてんだよ!」


俺はその言葉に心を震わせる。

俺は頬を叩き、トカゲの方を向く。

するとヤツはウサギの死体を喰らい、回復していた。

俺はトカゲに向かい、


「はっ!俺の真似っ子かよ!」


そう叫び、俺はトカゲに突進する。

それを待っていたかのようにトカゲが舌を振り回す。

無論、捌かなければ致命傷だ。

だが俺はやつの攻撃を無視しながら突進する。

何故なら…

目の前で2本の剣が宙を舞い、

トカゲの舌を斬り裂く。

大和が全て捌いたのだ。

この僅か2秒半の時間で数十本あったトカゲの舌を全て斬り裂いたのだ。


俺はそのままトカゲの上顎に剣を突き刺す。

剣を捻り、トカゲの口に背を向け、こちらに引き寄せるかのように上顎を斬り裂く。

トカゲは鼓膜が破れるんじゃないかと言うくらいでかい断末魔を上げ、血の垂れた口をこちらに向ける。


「はっ!まだやれるってか?」


そうトカゲを煽ると山田と牧が、


「歩夢。コイツのトドメ、俺たちに譲ってくれよ。」


と俺の方を向いてグーサインを向ける山田。

俺は2人に「あぁ」と返答しようとした刹那。


山田と牧の頭が無くなった。

首から大量の血を噴き出し、力なく倒れる。

俺はその光景を見て、絶望の表情を向ける。

その表情を見たトカゲが、

ニヤリと笑った。気がした。

そのまま先程とは比べ物にならない速度で突進してくる。

俺はそれをローリング回避でギリギリ避ける。

そのままトカゲは壁にぶつかり、

グシャりと音を立てて口が潰れる。


俺はその隙を見逃さず、アイスショックで地面を凍結、その後素早くやつの懐に入り、クロススラッシュで腹を斬り裂く。

だが、そこで俺の剣が砕ける。

しかもトカゲはまだ生きてる。

血を吐きながら俺を噛み砕かんとするため口を開けて

こちらに向かってくる。

俺はそれを動けずに見ることしか出来なかった。

その場で俺は死を覚悟し、目を瞑る。


だがその刹那、声が聞こえて来て俺の目の前に剣が突き刺さる。


「歩夢!!使え!!」


大和だ。大和の剣をスキルの「空の腕」でここまで飛ばしたのだ。

俺はそれに報いるためにその剣を引き抜き、

横斬りをする構えをする。

腰を入れ、全身で剣を持ち、剣を背中側に向け、

右側に遠く持ち、左側に大きく切り払う。

そんな剣技を想像する。

魔法と剣技はイメージ。

イメージ出来ないことは実際に出来やしない。

イメージを強くする。

もっと!具体的に!


すると、剣が黄色に光る。

すると、俺の筋力が爆発的に上昇し、

凄まじい威力でトカゲの上顎を吹き飛ばす。

血を噴き出し、トカゲが力なく倒れる。


「勝った…のか…犠牲者を出して…」


俺は剣を強く握り、涙を零す。

俺がもっと強ければ。

クソ…


歩夢達は静寂の中に取り残された。

足元には仲間の死体。

倒すべき相手の死体。

浮かばれない顔の4人。

そのまま俺達はその場で2人を弔う為、

肉と骨を燃やし、瓶に詰めていく。

全員が同じような表情で黙々と作業を進めていく。

第1目標を達成したはずなのに、

そこには歓喜の声は無かった。



獲得新スキル

基礎片手直剣術 中位 「ホリゾンタル」を獲得。


暗く


暗く


さらに暗く


闇がこの世を包みこむ


闇は魔物に力を与える


闇は魔物に命を与える


深く


深く


さらに深く


闇が包む

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ