呂布カルマを笑えない!? 誰もが陥る暗黒面について
『サッカー部とアニメアイコンは話しかけんな』
Twitterのプロフの時点でいきなりアニメアイコン敵視している、有名ラッパーの呂布カルマさんが現在絶賛炎上中ですね。
いや、アニメ嫌いがアニメアイコン敵視すんのはともかく、なんでサッカー部まで敵視してんのかはよくわかりませんが。
それはさておき「何のこっちゃ」という方に炎上の経緯。
恋山形駅という、鳥取県にある駅の画像を見た(もしくは実際に行った)呂布カルマさんが、ピンクメインの配色かつアニメタッチのイラスト(鉄道むすめ)が描かれている事に対して「何だコレ、気持ち悪りぃ」と発言。
そのツイートには賛否含めて様々なコメントが届いたわけですが、呂布カルマさんはさらに続けて「引用やリプに対して俺の感想に顔真っ赤にして反論してくる気持ち悪いアニメアイコンみてーのがいっぱい来る様になったとこで何なんだ? 俺が暮らしてる街の駅だったら使いたくないけどな普通に」やら「弁えないオタク文化を批判したら弱者叩きとか言われるんだけどお前ら弱者の自覚あるならコソコソしとけよ。そしたらこっちも何も言わねーから」といったエッジの効いた返信を行い、本格的にネットで火柱が上がったという次第です。
うん。
まあ、人間には好みってもんがあるわけで。
好きな色があれば嫌いな色もあり、好みの人間がいれば生理的に無理な人もいるわけで。
そういう意味では、彼のピンクな駅とアニメとオタクが嫌いってのは、それが彼の嗜好なわけでどうなるもんでも無いかと思います。
ただ、そういった嫌悪をあからさまに表に出して言っちゃうのは、現代社会ではあまり常識的とは見られないわけですが。
いくら嗜好に合わないからって「俺は黒人共と、レゲエやラップみたいな黒人文化が大ッ嫌いなんだよ!」と叫ぶような真似は、ポリコレ嫌いな熊ですら「いや流石にそれは覚悟完了し過ぎというか、現代社会向いてないでしょ君」と突っ込むレベルでアウトでしょう。
アニメや漫画でそういう偏見を持ったキャラクターを描くってんなら話は別ですが。
ちな、熊も個人的にはこの駅の色は好きでは無いです。
てか食い物以外でピンク色ってのは、熊は好みじゃありません。
あと秋葉原以外の駅でアニメイラスト多用されんのもあんましっくり来ないです。
ただそれは、熊が「駅にアニメイラストっつったらアキバが唯一無二だろ!」てな偏見というか、そういう時代に生きてきた「馴染み」から来る嗜好であって、それ以上の物ではありません。
ぶっちゃけJRの自動販売機に初音ミクのイラストがプリントされてんのとか、おっさんの身の上な熊にも違和感あります。
ボーカロイドの曲とか一時期結構聞いてて、初音ミクに嫌悪感なんて特に無いんですけどもな。
話がとっ散らかってきた感がありますが、何が言いたいかというとつまりこういう事です。
「人は、自分の慣れ親しんできた価値観に囚われやすいので気をつけんとあかん」という事です。
この呂布カルマさん、年齢が41歳って事でして。
この世代の人達って基本的に漫画やアニメ、オタク文化に対する偏見がかなりキッツい時代に青春送ってきてるんすよ。
未だに宮崎勤の影響引きずってて、大真面目に「アニメを見ると犯罪に走る」的な風潮が今よりずっとあった世代ですし。
あと「オタク狩り」なんてワードが一般化されてて、実際に秋葉原ではオタクっぽい見た目の人がカツアゲ喰らって金奪われてる。
学校でも世間でも、アニメを気持ちの悪い物として扱い、その手のグッズを持ってこようもんなら破り捨てられるのが珍しくない。
そんなオタク達を手酷く罵ったり雑に扱う事で周囲からは賞賛が得られる。
そういう時代に生きてきてる世代なんすよ。
とりま、今の30代後半の年齢層まではそんな感じ。
ところが時代は様変わりし、ここ十数年でそういった漫画やアニメといった文化を取り巻く環境は変わりました。
鬼滅のアニメ映画は興行収益450億円を記録し、邦画は「通る企画はアニメの実写化ばかりだ」と関係者が嘆くまでになり、マクドナルドは、呂布カルマさんが学生だった頃には嫌悪と嘲笑の的にされていたようなアニメ調のCMを流し、駅の自動販売機には初音ミクのイラストがラッピングされ、アイドルや芸人が「僕は私はアニメやゲームや漫画が好きなんですヨォ、ワンピースとか」みたいなすり寄り方をする時代になってしまいました。
いや、これアニメやオタクを叩く事が評価され、その価値観に乗っかって叩いて回ってた人からすれば悪夢でしょ。
価値観バグり過ぎというか、世の流れについていけません。
昔は良かった、褒められてた事が、同じ事を言ってるのに今はやたらと非難される。
普通の人なら「なんで? え、なんで?」と混乱するのがむしろ当たり前でしょう。
呂布カルマさんは覚悟完了してんのと炎上慣れしてんので、んなこたぁ無いのかもですが。
で、今回の呂布カルマさんの炎上の件。
創作に置き換えて見たとしても熊自身がこうなる可能性めちゃくちゃあって「笑えんわコレ」と思ったんですよな。
世の中、嗜好も常識も流行りも廃りも、今回の炎上の件のように簡単に変わります。
過去に「良し」とされてきた物事であっても、それがいつまでも続くとは限りません。
変化する時は、それこそ10年待たずに変化します。
んで、熊が学生時代に良しとされた作品ってお堅い物が多いんすよ。
あと悲劇が多い。
陰鬱な展開とハードボイルドがすげー持ち上げられてた。
あと深いのか深そうなだけなのか、よくわからんけどセカイ系。
設定は大量で、難解であるほど良い。
で、今現在の熊の嗜好も、どちらかというとそういう作品群を好む傾向にあります。
映画の「ミスト」や「セブン」や「SAW」や「ミリオンダラーベイビー」みたいな話、超好き。
話は暗ければ暗いほど、救いは無ければ無いほど良い。
で、Twitterの方じゃ何度か言ってますが、熊は元々なろうアンチでした。
それが何故かって、結局この昔の感性に引っ張られてたからなんですよね。
熊がなろうアンチだった時は今から5年前。
異世界転生チーレム無双が今よりもっと勢いあった頃でした。
主人公がもがき苦しみ、裏切られ、努力が実らず、敵対者と戦っても力及ばず惨めに地を這う話が好き。
そんなヤバめな物語性癖を持つ熊とは相性の悪すぎる作品がランキングを占めていたのを見て、当時の熊は発狂しました。
あまり表に出しはしませんでしたが、なろうを知った当初の感想は呂布カルマさんがアニメイラストやそれらの文化に抱くイメージと、大した違いはありません。
その後、Twitterや投稿サイトでなろう作品を楽しみ、読み、作っている方々と交流を持って考えを知る事が出来た熊は悪感情を消す事ができました。
が、本当に一歩間違えば「なろう作品は作者の妄想をぶち撒けただけのゴミ!」とか「あんなもん書いてる奴も読んでる奴もカス!」みたいな事を今でも呟いていて、過去の名作を引き合いに出しては人の嗜好や努力を嘲笑して悦に浸っていた事でしょう。
この辺、人間の嗜好って簡単には変わる物では無いですし、意識してないと「ただ自分が過ごした過去がそんな感じだったから」という惰性に引っ張られて取り残されます。
別に今も昔も俯瞰した上で「俺はこの道を行く!」というのは、他人に迷惑かけない限りは構わんわけですが。
まとめると、意識してなきゃ誰もが自身の過去の経験だけを絶対視して、今の価値基準を認められなくなる可能性があるって事です。
呂布カルマさんの発言や思考、嗜好を現代の価値観と照らし合わせて非難すんのは簡単です。
ですが、10年後は自分自身が同じような言動や行動をして、非難される側になってるかもしれません。
時の流れは平等で、人間誰もが老いるのです。
過去の自分に惰性で流されないよう、その辺の時代の感覚は常に磨いておきたい物ですね。
呂布カルマを笑えない!? 誰もが陥る暗黒面について……END
最後までお読み頂き有難うございます。
もしよろしければ、こちら↓↓↓の広告下にございます「☆☆☆☆☆」欄にて作品への応援を頂けますと、今後の励みとなります。
よろしくお願いします!