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7月3日 月曜日 童謡の歌詞

 朝からシトシトと梅雨らしい雨が降り続いています。それでいて気温が30℃を超えてくるそうですので、まだ10時過ぎだというのに、ジメジメじとじと、汗ばむ暑さです。たまらず警備室のエアコンを入れ除湿を開始します。え? 少しくらいの暑さは我慢しなくちゃって?? いやいや。警備員はセキュリティとセーフティをお預かりしています。警備員が真っ先に倒れたら、誰がクライアントを守るのでしょうか。


 エアコンから吹き出される湿度を取り除いた心地いい風が周囲に広がっていきます。文明の利器、最高です。エアコンを最初に開発された方に乾杯!


「さてと。」


 せっかく心地よい風が吹いてきましたが、今日は月曜日。外周巡回の日ですので、早めに回ることにしましょうか。


 大した降りではないので、今日は雨具ではなく傘を差して巡回に出ました。西側を巡回していると、隣の土地から何やらにぎやかな声が聞こえてきます。確か、西側は保育園があったはずです。雨が降っているので外では遊ばせないでしょうが、室内で何か遊んでいるのでしょうか、子供たちの歌声が響き渡ってきます。教室の向きや警備室の位置のせいもあるかもしれないですが、警備室内にいると、お子様たちの声は聞こえないんですよね。


 懐かしい動揺が聞こえてくると、ついつい口元が緩んでしまいますね。


「シャボン玉のうたとか、懐かしい。」


 一緒になって口ずさみながら巡回を終えると、久しぶりに氏神君から連絡が入っていました。また遊びに行きましょうとのお誘いでした。是非にと返信した後、保育園の童謡の話をメッセージで送ると、しばらく時間が過ぎてから戻ってきた氏神君の返信は、びっくりする内容でした。


『童謡・シャボン玉の歌詞に込められた秘密。』


 歌詞の中のシャボン玉は、飛んですぐに割れたり、飛ばずに割れたり、飛んでも不安定で風に揺られていきます。ただ普通に聞いていると、ほほえましい童謡なのですが、この『シャボン玉』というキーワードが、自分の子供を表していて、飛んですぐに割れた。つまり、産まれてすぐに亡くなった。飛ばずに割れた。産まれる前に死んでしまった。と意味しているというのです。


 当時の時代背景から、そういう意味が込められているという説を初めて知りました。風吹くなというのは、不幸に襲われず無事に育ってほしい。そういう親心を込めたのだとしたら、この詩は、なんて悲しく、祈りを込めたものなのでしょう。


 解釈はいろいろあると思いますが、妙にドキドキしてしまいました。が、次の氏神君のメッセージを見て、思わず笑ってしまいました。


『ま、諸説あるんですけどねぇ。童謡に動揺しましたか?(笑)』


 皆さんも、こういった都市伝説的なことをご存知ですか? 真実は当人にしかわかりませんが、何気なく触れているものでも、思わぬ真実があるかも、しれませんね。。。





警備日誌 07月03日 月曜日 雨


 外周巡回を実施し、異常なし。


 その他、異常なし。

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