5月21日 日曜日 犬や猫の殺処分について
10時前になって、浜崎所長がお見えになりました。
「遅くなってすみません。」
「いえ。大丈夫です。」
今夜はここに泊まって明日はそのまま出勤されるとのことです。
「いよいよ来週には新垣さんの家に引き取りですね。」
「無事に決まってよかったですよ。」
昨夜の子猫の様子を報告し、私は着替えて引き上げることにしました。
「ちょっと、倉庫裏見てから帰ります。」
私はそういうと、挨拶をして警備室を出ました。子猫の兄弟が眠っている倉庫裏に行きました。墓石代わりの大きな石が置かれ、その周りを今の時期の花であるアヤメが紫に咲き誇っていました。私は手を合わせると、子猫が無事に成長していることと、引き取り先が決まったことを報告しました。
昨晩調べたのですが、環境省によると、全国の保健所や動物愛護施設に持ち込まれたり引き取られた犬や猫の数は約72,000匹(2020年データ)このうち、各所の尽力で約40,000匹は飼い主などの引き取り手が見つかりますが、20,000匹以上は、残念ながら殺処分となるそうです。それでも、10年前に比べると10分の1程度に減ったとのことですが、それでも、その数の多さを考えると胸が痛みます。この子たちのように、人知れず亡くなってしまう犬や猫もいるでしょうから、実数はもっと多いのでしょうね。
犬も猫も生き物です。人間の言葉は話せなくても、命があり、心があります。安易に飼わない。安易に増やさない。『生き物=命』という認識をしっかり持ってほしいです。