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2月16日 金曜日 ラブレター

 一通の手紙を前に、受付に腰掛けながらため息を吐きます。新垣さんからいただいたチョコレートを食べようかとしたときに、包みの中に手紙が入っているのに気が付きました。内容は嬉しいものでしたが、困り果てています。


『山盛亮様


 手紙ですみません。山盛さんにはこの1年近く、いつも気にかけていただいて、新社会人である私はとても安心して仕事をすることができました。アイリスを拾ってきたときも、雨に濡れながらなんとかしようとしてくれましたし、コピー用紙の発注を間違えたときは、私を気遣って励ましてくれました。そして、八木沢さんの件も、山盛さんがいなかったら今頃どうなっていたかわかりません。


 いろいろなことを経験していくうちに、私は山盛さんに惹かれていきました。最初は、お父さんみたいな感覚だったのに、八木沢さんを取り押さえた山盛さんを見たときに、一気に好きになってしまいました。


 年の差を気にするかもしれませんが、私は本気です。よかったら真剣に考えてみてください。


 新垣結衣美』


 もう一度読み返し、大きく深呼吸します。こんなの見ちゃったら寝られませんよ。昨日もなかなか眠れませんでした。すっかり寝不足です。幸い、今日は新垣さんが本社研修で出張だそうですので、顔を合わせずに済みましたが、本気で思ってくれていることには驚きです。よもやよもやです。


 しかし、30歳以上年の離れた女性に対して、どうするのが正解なのか答えが出ません。彼女のことを真剣に考えれば考えるほど、どうするのがお互いの為なのか悩みます。それに、4月から私は専属ではなくなります。それもまだ伝えられていません。


「困ったなぁ。」


 頭をかきながらどうするのか悩んだだけで、今日の業務が終わろうとしているのでした。





警備日誌 02月16日 金曜日 曇り


 警備業務には異常なし。

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