4月28日 金曜日 地震発生
それはお昼休みが終わって午後に差し掛かってすぐのことでした。受付に座りながら監視カメラの画像をチェックしていたところ、携帯電話や防災盤から一斉に警報音が鳴りました。私は、受付のPC上のデータを見ながら、すぐに館内放送のマイクのスイッチを入れました。
『こちらは警備室です。緊急地震速報を受信しました。予想震度は4、到達まで7秒です。身の安全を確保してください。落下物に注意してください。繰り返します・・・』
2度目の途中で強めの揺れがあたりを包みました。いい意味でも悪い意味でも日本人は地震に慣れています。震度4あたりだと、強めの揺れだと思っても、死に直結するものだと感じる人は少ないそうですね。
ゆったりとした横揺れが、ねっとりと長く続きました。私も放送をしながら左手で机をつかみ、半分腰を浮かせて踏ん張りました。
実際には20秒くらいだったのかもしれませんが、すごく長く感じる横揺れでした。揺れが収まったのを体感すると、PCを開いて地震情報の更新を待ちました。この施設には、防災版で地震速報を受信するだけでなく、念のため私個人の携帯も、緊急災害受信は来るようにしてあります。また、PCでも「強震モニタ」と言う、地震計測用のアプリを入れてあります。これがけっこう正確なので、防災の仕事をする人だけでなく、一般の方にも知っていてほしい優秀なソフトです。
地震の詳細速報が入りました。私はすかさずマイクのスイッチを入れ、
『こちらは警備室です。先ほどの地震は、震源地が茨城県南部、M6.2、最大深度は5弱、八王子市は震度3でした。しばらくは余震に気を付けて、業務を再開してください。繰り返します・・・』
今度は2回しっかりと放送し、スイッチを切りました。八王子監視センターのマニュアルでは、震度5弱以上は揺れが収まった後に屋外避難とその後、構内外の巡回。震度4までは警戒しながら作業再開。震度2までは対応なし。となっています。今回は受信情報が震度4でしたので緊急放送を入れました。
内線を入れて、オフィスに異常がないことを確認し、本社へ連絡すると。
『亮さ~ん。いきなりの警報で焦りましたよ~。』
と、のんきな声で荒井さんが泣き付いてきました。警備員とはいえ、警報音というのは、どの種類であっても慣れることはないですね。
報告書 地震発生の報告
04月28日金曜日
13:07 緊急地震速報を受信した為、全館注意放送を実施。
13:08 茨城県南部を震源とするM6.2の地震発生。
13:11 最大震度5弱、八王子市は震度3だったことを確認。
13:12 平尾副所長にオフィスへ異常がないことを確認。
13:15 弊社本社管制担当者へ異常なしを報告。
13:37 敷地内の巡回を実施、異常なし。
荒井さんへ報告後、震度3では本当は必要ないですが、古い施設ですので念のための巡回を行いました。異常がなかったので良かったです。みなさんも地震は急にきますので、慌てず冷静に行動できるように備えてくださいね。
警備日誌 04月28日 金曜日 晴れ
13:08 茨城県南部を震源とするM6.2の地震発生。
最大深度は5強、八王子市は震度3.
緊急地震速報を受信したため全館放送を実施。
13:37 構内外を巡回し異常はなし。