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12月31日 日曜日 大晦日の雨

 今朝は雨の音で目が覚めました。寒いので半纏を羽織ってキッチン脇の小窓を開けると、けっこうな強さの雨が降っていました。すぅーっと冷たい空気が入ってきたので窓を閉めます。大晦日に雨が降るなんて珍しいことですね。まぁ、大雪よりは全然いいのですが。。。ニュース番組をつけると、今朝の八王子市は最高気温7℃、最低気温は1℃です。寒いわけですね。


 今日から3.4日、実家で過ごそうと思っていたのですが、このままでは昨日八王子駅で買い物したお土産が濡れてしまいます。あまり見栄えはよくなくなりますが、ゴミ袋用のビニル袋を用意して、お菓子の箱を包みます。紙袋は二重にしていけば大丈夫でしょう。


 準備をして午前9時には家を出ました。八王子駅から相模原駅に移動し、雨の中を実家まで歩きましたが、それでも10時前には到着することができました。


「あらあら、ぬれちゃったわね。寒かったでしょう。お風呂沸かす?」

「はは、大丈夫だよ。」


 手土産を渡しながらリビングに行くと、父がいつものように新聞を広げてコーヒーを飲んでいました。


「ただいま。」

「おお、おかえり。あいにくの雨だったね。」

「ほんと、大晦日に雨なんて珍しいよね。」


 ダウンジャケットをハンガーにかけながら、母が入れてくれたコーヒーを飲みます。


「あら、高尾山ポテトじゃないの。うれしいわぁ。」


 高尾山ポテトとは、八王子の銘菓で、八王子産のサツマイモと日本各地のサツマイモをブレンドしたスイートポテトで、高尾山の形をしています。それ以外にも、クマの形をしたマドレーヌや武田信玄由来の姫様もなかなど、両親が好きそうなお菓子をそろえてきました。たまには親孝行しないとですね。


 実家で何をするわけでもなくのんびり過ごしていましたが、雨は夕方になっても降り続けています。コーヒーやお菓子をいただきながら仕事の話になったので、最近のことを話すと、父も母も驚いていました。そういえば、新垣さんはその後、落ち着かれたのでしょうか。社会人1年目から、なかなかヘビーな経験をされてしまったのですが、これで仕事が嫌になってやめてしまうなんてことにならなければいいのですが。


「今はストーカーなんて言葉もできて規制されるようにはなってきているけど、昔は昔で付きまといなんてよくある話だったからねぇ。」

「そうなの?」

「お母さんが若いころに、しつこい男がいてねぇ。困っていた時に助けてくれたのがお父さんだったのよ。」

「へぇ。」


 町で酔っ払いに絡まれ、逃げ帰った母でしたが、家が特定されてしまい待ち伏せされたりと付きまとわれたそうです。それを見かねた、当時母と同じ職場だった父が間に入り、男を撃退したという話でした。


「相手が喧嘩っ早くてね。いきなりお父さんのことを殴ったのよ。そしたらお父さん2発目食らう前に相手をぶん投げちゃってね。二度と顔を見せるな! って、かっこよかったのよ。」

「古い話はやめなさい。」


 父はそう言いながら新聞で顔が見えないようにしていました。たぶん、照れているのでしょう。父は今でこそ年老いましたが、柔道3段の黒帯です。先般、八木沢さんを投げ飛ばしたのも、昔、父に稽古をつけてもらっていたからでした。私は父のように強くはなかったので、初段止まりでしたが。


「きっと怖い思いをしたんだろう。気にかけてあげなさい。」


 と、新聞越しに父が言ってきます。


「そうするよ。」

「ただし、若い子を守ったからって勘違いして熱を上げるんじゃないぞ。」

「そ、そんなことあるわけないでしょ!」


 思わず飲み物を吹き出しそうになりました。


「ははは。亮に限ってそんな若い方と何かあるわけないでしょう。」


 母が年越しそばを持ってきながらそう言って笑っていました。このそばを食べたくて毎年年末には規制するようなものです。父は柔道三段、母はそば打ち二段の腕前です。


 年越しそばをすすりながら、歌合戦を流し聴きし、除夜の鐘を聞くころにはすっかり雨も上がって星が見えていました。新垣さんの心もこの空のようになってくれればいいなと思っていると、


『あけましておめでとうございます! 昨年はたくさんありがとうございました。』


 と、ハートマーク付きで新垣さんからの新年のメッセージが届きました。さすがに若い子は早いですねぇ。ハートマークなんかつけたら勘違いしちゃいそうですよ。でも、こんなメッセージが送れるくらいに回復しているなら少し安心しました。私も返信を返したついでに、知人友人に新年のあいさつ文を送るのでした。


 皆様、良い年をお迎えください。。。

みなさまこんにちは\(^o^)/

作者の水野忠です。


早いもので2023年もあっという間に大晦日ですね。

みなさまはどんな1年でしたか?


亮さんの警備日誌も残すところあと3か月です。

いろいろな出来事がありましたが、

まだまだ物語は続きます。


最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。


それでは、

2024年もどうぞよろしくお願いします。


あ、年賀代わりのブックマークといいねと高評価もお待ちしております。

(;^ω^)


水野忠でした。

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