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12月24日 日曜日 クリスマスイブに思うこと

 さて、新垣さんの件はとりあえず監視カメラの判断待ちになりましたので、今日はサボりがちのジムに顔を出しました。


「こんにちは、山盛さん。最近はまた忙しいんですか?」

「はは。そうなんですよ。」


 適当に濁しながら今日もトレーニングに励みます。ウェイトトレーニングをしながら、ストーカーについて考えます。実害は出ていませんが、人というのは感情の生き物です。そして、好きになるのに理屈はいりません。だからこそ、想いを拗らせた歪んだ愛情は時として凶器に走らせることがあります。


 ストーカーなんて、ニュースの中とドラマの中の話だと思っていましたが、実は身近に潜んでいるものな

のかもしれませんね。


 こうやって身体を鍛えるようになってもう何年もたちます。普通の成人男性よりも筋力はあるほうだと自負していますが、この力は健康のために維持しているもので、誰かを攻撃するために鍛えたものではありません。ましてや、ケンカらしいケンカなんて、子供の時以来やったことがありません。そんな自分が誰かを守る仕事をしているのが不思議です。でも、実際にそうなったときに、この体はしっかりと動いてくれるのでしょうか。


 そんなことを考えながらトレーニングを終えると、もうすっかり日は沈んで暗くなっていました。ジムを出てから携帯に目をやります。新垣さんからの連絡はありません。今日は無事だったということでしょうか。


 と、どこかで見られているのかと思うタイミングで新垣さんからメッセージが入ります。


『今日は、とりあえずなにもなさそうです。』


 それはよかったと返信しました。幸い、新垣さんのマンションは駅からそこそこ近いですし、通りに面しているので人通りも多めの場所です。時間帯さえ間違わなければ、そうそう危険はないはずだとわかっていますが、やはり心配なものは心配ですね。


 街はクリスマスソングがあちこちでかかっています。そうでした。今日はクリスマスイブでしたね。ケーキは、、、我慢するとして、おいしいものでも食べておきましょうかね。


 来週、動きがあるかどうかわかりませんが、少しでも早く新垣さんの不安がなくなるように、何かできるか考えていきましょう。

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