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12月23日 土曜日 監視カメラと例の猫

 時間は午前9時50分。新宿駅西口の改札にいた私は、人込みの中に新垣さんを見つけたので手を挙げて合図をしました。新垣さんもこちらに気が付き、笑顔で駆け寄ってくれます。


「おはようございます。」

「おはようございます。すみません、お休みの日まで付き合わせてしまって。」

「もうそれは言いっこなしですよ。さっそく行きましょうか。」


 私たちは西口から北西方向にある北さんの会社を目指しました。物の数分なのは助かります。ビルに入ると、受付の女性がこちらに気が付き、


「いらっしゃいませ。」


 とお辞儀をしてきました。


「北様と面会のお願いをしておりました。山盛と新垣です。」

「少々、お待ちください。」


 受付の方は内線で確認が取れると、3階の応接室を案内してくれました。そこへ向かうと、部屋の前に身体付きのいい男性が待っていました。年齢は30代後半、濃紺のスーツが良く似合います。


「山盛さんと新垣さんですね。初めまして、シークレットセキュリティサービスで営業課長をしております。北大介です。」


 この方が北さんでしたか。


「どうぞよろしくお願いします。」


 応接室内に入り、新垣さん本人からここまでの経緯を説明していただきました。今日初めて知りましたが、実害は出ていないようでしたが、帰り道に振り返ると、明らかに姿を隠す影が見えたということでした。それも、1回2回ではないようですね。


 事前の打ち合わせ通り、とりあえずは監視カメラを取り付けて、お住まいのマンション周辺に不審人物が映り込まないか対策しましょうとのことで、早速このまま移動して作業に入ることになりました。機材のレンタルの契約を交わし、北さんの運転で新宿から国立にある新垣さんのマンションへ移動します。


「そう言えば、探偵会社なのに警備業登録をされているんですね。」

「HPをごらんいただjきましたか? そうなんです。2007年に探偵業法が制定されましたが、探偵業界で行うボディガードや、弊社はお子様の塾の送り迎えのサービスなども提供しているのですが、それが4号警備に当たるということで指摘が入り、その際に警備業登録もして、今では事業を拡大して身辺警護だけではなく、施設警備なんかにも手を出しております。」


 皆様もうお忘れかと思いますが、一言に警備員と言っても、私のような施設を警備する者もいれば、工事現場などで交通整理をする人、コンサート会場での出入管理の警備をする人、現金輸送する人、色々な警備業務があります。


 そこで、警備業法では区分を設けています。



 1号警備 ・・・ 施設警備、航空保安警備、機械警備など

 2号警備 ・・・ 交通誘導警備、雑踏警備など

 3号警備 ・・・ 現金輸送警備、貴重品輸送警備など

 4号警備 ・・・ 身辺警護など



 塾の送り迎えも、お子様の身を守ると言う意味では4号警備にあたるという解釈になるようですね。北さんの話だと、ボディガードチームのあるような探偵事務所は、まずほとんど警備業登録もしたということです。


 さて、新垣さんのマンションに到着しました。周辺をチェックしてから、中に入ります。なんだか流れ出来てしまいましたが、女性の独り住まいにお邪魔するのは緊張しますね。北さんの車のほか、機材を積んだ車が後を付いてきてくれまして、女性スタッフも対応をしてくれるということです。


 お部屋に通されると、真っ先に見覚えのある猫が駆け寄ってきました。


「あれ。もしかしてアイリスかい?」


 抱き上げてやると、嬉しそうに喉を鳴らします。


「ふふ。久しぶりに山盛さんにお会いして嬉しそうですね。」

「大きくなったなぁ。」


 猫は三日合わないと恩義を忘れると言いますが、そんなことはないようですね。


「では、作業に入りますね。」


 北さんの指示で、ベランダと玄関上、そして居室内にもカメラが仕掛けられました。室内は念のためだそうですが、ベランダと玄関側のカメラは360度カメラなので、不審者が映り込みやすい画角が取れるそうです。ちなみに、玄関前に設置するのは事前に管理会社の許可を得ていますが、集合ポストなどの教養部の許可は出なかったみたいです。まぁ、仕方ないですね。


 一通り作業を終え、新垣さんの携帯電話で見れるようにリンクして、今日は終了になりました。北さんが駅まで送ってくださると言うので、これで老いた真することになります。


「アイリス。いい子にしてるんだよ。」


 アイリスの頭を撫でて、


「新垣さん。何かあれば、北さん達でも私でも連絡ください。」


 そう言ってマンションを後にしました。これで何かつかめるといいんですけどね。解決できるように期待しましょう。

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