4月19日 水曜日 気遣いとお菓子
今日はオフィスへの事務用品の納品業者がいらっしゃいました。セキュリティが厳しいので、原則、納品は警備室前で受領されるそうですが、今日はコピー用紙があって重たいため、私がオフィス階までお持ちすることにしました。
「山盛さん。重たい荷物持たせちゃってすみません。」
新垣さんがそう言って労ってくれました。重たい物を運ぶのは大変ですからね。取りに来られたのが新垣さんだとわかった瞬間に、持って行ってあげなくちゃという気持ちが強く現れました。下心はありませんよ。はい。
「大したことではないので、いつでもお声がけください。」
そういいながら、私は荷物をオフィスの机に置くと、笑顔で応えました。
「あ、そうだ!」
新垣さんはそう言って自分のデスクに行くと、引き出しからごそごそと何かを取り出してきました。
「差し入れです。」
笑顔で差し出されたのは、チョコレートのお菓子でした。
「小腹がすいたら食べてくださいね。ありがとうございました。」
「い、いえ。こちらこそ。ありがとうございます。」
緊張のあまり思わず敬礼すると、新垣さんもかわいらしい敬礼を返してくれました。
「そ、それでは失礼いたします。」
緊張のあまり、何度も噛みながらそういうと、一礼してから警備室に戻りました。若い女性と会話することがあまりないもので、年甲斐もなく緊張してしまいました。
警備日誌 04月19日 水曜日 晴れ
阿川急便からオフィス備品を受領。
重量があったため、一時、警備室を開けてオフィス階まで運ぶ。
その他、異常なし。