9月6日 水曜日 時田さんのお願い
ジメジメと蒸し暑いのは深いですよね。それに加えて、日本をそれていった台風の影響が残り、今日は朝から雨が降っております。しかし、暑さは変わらずですのですっごく蒸し暑いです。受付に置いてあるデジタル時計は、気温や湿度も表示してくれるのですが、外の気温は34℃、湿度は92%になっています。
「湿度100%って、水じゃん!」
と、昔いた現場で若い後輩が話していたのを思い出しました。湿度は大気中に含まれる水蒸気の割合を求めたものですので、水とはまた違うものだそうです。そう考えてしまうのもわからなくはないですが、物理ってやっぱり難しいです。
同じ蒸し暑さでも、カリフォルニアなどのアメリカ西海岸地域だと、湿度が低いので、暑くても気持ちいいそうですね。頭から水をかぶっても、30分も歩いていると乾いてしまうそうです。日本の夏もそう言った夏だったら、もっと過ごしやすく楽しい季節なのかもしれないですね。もう9月に入ったのですから、早く涼しくなってほしいものです。
昨日に引き続いて会議資料を作っていますが、改めてこうやって見返すと、1ヵ月でもいろいろあったことを思い出します。
「警備さん。ちょっとお願いしてもいいかな。」
そんな時、清掃の時田さんが声をかけてきました。
「はい。どうしましたか?」
「すまないんだが、ちょっと棚の上の備品を取ってもらえないかねぇ。」
一緒に備品倉庫に行くと、トイレットペーパーの入った箱が、いつの間にか高い場所に移動されていて下ろせなかったようです。屋根の補修工事をしたときに、一部の備品を移動しましたから、その時に上げられてしまったのかもしれませんねぇ。
「ちょっと待っててくださいね。」
私は脚立を用意すると、落ちないように慎重に箱を引き寄せ、下で待っている時田さんに受け渡しました。中身はトイレットペーパーなので、箱の大きさほど重くはありません。よく見ると、もう二箱ばかり同じ場所に置いてありましたので、一緒に降ろして取りやすい場所に移動しました。
「助かったよ。すまなかったね、仕事中に。」
「いえいえ。こういうのも私の仕事でもありますので、遠慮なく言いつけてください。一人腕やって脚立から落ちたりしたら大変ですから。」
「ありがとう。いや、私の周りでも、転んで骨折して寝たきりになったなんて話、よく聞くようになってね。自分だけが痛い思いするんならいいんだが、周りに迷惑をかけてしまうのは忍びなくてね。」
「いやいやほんとですよ。頼れる人がいるなら頼って正解です。私でよければいつでも声かけてください。」
「助かるよ。」
時田さんは箱からペーパーを取り出すと、オフィス棟に戻っていかれました。脚立の転落事故って、けっこう毎年各地で報告されます。出来れば一人は脚立を支え、安定した場所で使ってほしいです。一人だと、万が一バランス崩した時に脚立を支えられませんし、腰や足にケガをしたら身動きが取れなくて、発見までに時間がかかることもありますので。頭なんか打ってたら死亡事故になることもあります。
事故を防ぐには、『急がば回れ』が一番だと考えています。ほんのちょっとの手間を惜しむなということです。例えば、1分でできる手間を惜しんだがために、何ヶ月も入院、あるいは一生障害が残ることなんてことになったら、悔やんでも悔やみきれませんね。
警備日誌 09月06日 水曜日 雨
清掃員・時田様に頼まれ、
備品倉庫からトイレットペーパーの箱を取り出す。
高所に合ったため脚立を使用、
備品倉庫内の在庫確認や、設置個所の精査が必要と思われる。
ほか、異常なし。