8月27日 日曜日 伊香保温泉露天風呂♨
試験も終わり、今日はちょっとひと段落ですね。JR線に乗り、川越へやってまいりました。駅に到着すると、ロータリーの端で氏神君が待っていらっしゃいます。みなさん覚えておいででしょうか? 筋トレ仲間の氏神君です。転勤して川越に住んでいらっしゃいます。今日は久しぶりに遊びに行く約束をしていたのです。
「お久しぶりで。」
「4月の温泉依頼ですね。元気でしたか?」
「それがですね。」
氏神君は物流関係の仕事をしています。フォークリフトで荷物をトラックに積んだり、荷物の発注や納品、出荷まで、物流全般のお仕事をされています。今では川越のはずれにある物流倉庫で総務課長をされていますが、実はこの倉庫、最近になって知ったんですが中町さんの警備隊の入っている倉庫なんですよね。
「なにかありましたか?」
「いやぁ。4月に亮さんにあった後、油断してぎっくり腰になっちゃいまして。最近は筋トレもサボりっぱなしなんですわ。」
そう言われると、以前よりもおなか回りが目立ってきているような。。。
「あんまり酷くなるようなら手術するって話も出ているので、ちょっとだましだましやってます。」
「気を付けてくださいね。」
腰をやってしまうと、痩せて腰への負担を小さくして、筋トレして腰回りの筋力アップして直していくのがいいのですが、なかなかそうはうまくいかず、やせるために身体を動かそうとすると、腰が痛むので動かなくなり、動かないためにまた太ってしまって腰に負担をかける。こういった負のスパイラルに陥ってしまいます。
そう言うわけですので、今日は氏神君に付き合って、伊香保温泉に行くことになりました。伊香保温泉へは、関越道川越ICから1時間ほど走って、群馬県にある渋川伊香保ICを降り、30分くらい山へ入ったところにあります。石階段街が名所になっていて、石階段のゴールにある露天風呂を目指します。
今日は日曜日ですが、道路は空いていて渋川伊香保まではあっという間でした。石階段街のふもとには公営の駐車場があり、そこに車を入れて出発です。いや、しかし今日も灼熱の太陽ですね。容赦なく照り付ける日差しに、歩く前から汗が出てきます。ここから中腹の伊香保神社まで365段の階段を上ります。途中には食事処やお土産屋さん、脇に逸れれば旅館やホテルが点在しています。
「さぁ、行きましょうか。」
ゆっくり歩いて腰の筋力を付けながら、露天風呂で汗を流しましょうという企画ではあったのですが、いやぁ、暑いですね。
100段も登らないうちから息が切れてしまって、途中の休憩所で思わず腰を下ろしました。
「たまらん!」
氏神君がそう言いながらペットボトルの麦茶を飲み干します。
「今日の伊香保、38℃みたいですよ。」
「たまらん!」
しかし来た以上はゴールを目指して再び歩き始めます。なんとか伊香保神社に着いたころには、駐車場についてから1時間近くたっていました。ゆっくり登りすぎですね。
「せっかくなのでお参りしていきましょう。」
私は安全祈願をして、手を合わせました。今年もすでにいろいろ起きていますが、大きな事故や事件がなく今年1年を過ごせるように祈ります。
「亮さん。おみくじやろうよ。」
氏神君に誘われて、おみくじを引くことにしました。
「あ。」
「どうしました?」
「考えてみたらおれ、これが初詣です。」
氏神君が笑いながら言います。
「ははは、もう8月ですよ。そういう私も、5月に高尾山行った時のお参りが初詣でした。」
中町さんと高尾さんに行ったとき、薬王院でお参りしたのが今年初めてですね。この正月は休職中でしたので、実家と家を往復しながらゴロゴロしていました。あ、あとは筋トレですね。
「年明けは酒飲んで寝ちゃってたからなぁ。」
お金を入れておみくじの箱に手を入れます。せっかくなら大吉出したいですよね。よし、これに決めた! 氏神君も続いて、なかでかき混ぜながら1枚を引きました。こんなおみくじ一つでも、たまにやるとドキドキしますね。
「どうでした?」
氏神君がのぞき込んできたので、
「小吉ですね。失せもの、よく探せば出てくる。仕事、実直にやるが良し。出会い、しばし待て。」
「んん??」
氏神君が怪訝そうな顔をしたので不思議そうに思っていると、
「俺のと一緒です。」
「ええっ!?」
二人のくじを比べてみると、同じ39番、同じ小吉でした。つまり、まったく同じ結果をあの数のくじの中から引き当てたということです。こんなことってあるんですか?
「それだけ、仲がいいってことですかね。」
「ははは。」
面白い偶然を体験し、私たちはさらに進んで伊香保露天風呂へ。ここは源泉から直接露天風呂へ湯が引いてあり、四季折々の森林を眺めながら露天風呂に入ることができます。しかし、源泉からなので、あっついですね。
「あちちち!」
氏神君がバタバタしながら湯につかります。しかし、慣れてくるとすごく気持ちがいいですね。伊香保の温泉は、神経痛や腰痛に効果があるといわれていますので、氏神君の静養にはちょうどいいのではないでしょうか。
「ふぅ。気持ちいい。」
温泉につかりながら、お互いの近況報告などをして、逆上せないうちにと思いながらもついつい長湯してしまいました。思わず警備隊長になったことを話すと、氏神君は、
「よかったじゃないですか。おめでとうございます!」
と祝福してくれました。
「うへぇ。シャツがくっつく。」
温泉は気持ちよかったのですが、なかなか汗が引かず、石階段街に戻る前にはもう汗だくです。せっかく温泉に入ったのに。
「今度はもう少し涼しい時に来ようか。」
「そうだね。」
そんなことを話しながら、石階段街にオープンしていた水沢うどんの老舗店舗でお昼ご飯を食べて、汗だくのまま帰路に着くのでした。しかし、汗だくとはいえ、やっぱり温泉はいいですね。すごく気持ちよかったです。