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7月24日 月曜日 復帰の贈り物

 出勤準備を整え、いつも通りアパートのドアを開けて外に出てみると、


「あれ?」


 湿気が少ないのか、いつもよりもさわやかな感じがしました。決して涼しくはないのですが、時折吹くそよ風が心地よく、過ごしやすい朝になっています。このまま秋になってくれればいいのに。などと無理なことを考えながら出勤しました。


 いつも通り制服に着替えて受け入れ準備をしていると、


「おはようございます!」


 と、受付のほうから元気な声が聞こえてきました。


「新垣さん。具合はいかがですか? もう大丈夫なんですか?」

「はい。ご迷惑をおかけしました。ゆっくり休めたので、もうすっかり大丈夫です。山盛さんのおかげです。」

「いえ。私は何も。」


 よかったです。新垣さんは顔色もよく、いつもの元気な笑顔を見せてくれています。


「本当によかったです。」

「ありがとうございます。」


 そう言うと、何やらかばんをごそごそと探ると、


「あの、お礼にしては大したものじゃないんですけど。クッキー焼いてみたんで、よかったら食べてください!」


 そう言って、大きな包みを取り出した。お弁当が入るくらいの大きな包みです。


「ありがとうございます。気を使わせてしまって申し訳ありません。」

「そんなことないです。山盛さんはいつもみんなのことを見てくださって、何かあれば的確なアドバイスもいただけて、本当に頼りになります。みんなもそんなこと話してますよ?」


 新垣さんは改めてお礼をおっしゃると、オフィス棟に入って行かれました。いただいた堤はずっしりと重く、軽く中をのぞくとけっこうな量のクッキーが入っていました。それも、5.6個に小分けして放送してあって、長持ちするようにしてあります。なんて女子力!


「ん?」


 包みの中に、メッセージカードが入っているのに気が付きました。なんだろうと開けてみると、


『山盛さんの真剣な姿、カッコよかったです♡ 結衣美』


 と、ハートマーク付きのメッセージと、制帽をかぶっている私の似顔絵が描かれていました。思わず顔がニヤけてしまうのは、男性だったら仕方ないですよね? はいはい。下心は、、、ない。です。


 さぁ、一段落したら外周巡回に行かなくっちゃです。





警備日誌 07月24日 月曜日 晴れ


 休業していた新垣氏が復帰。


 後遺症なし。


 外周巡回実施、異常なし。


 ほか、異常なし。

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