4月1日 土曜日 警備員とは
警備員。
その名の通り、警備に従事する労働者を指す。
世界各国に存在する職業であるが、その業務内容、権限などは国によって大きく異なる。
我が国の警備員は、警備業法第2条4号で「警備業者の使用人その他の従業者で警備業務に従事するもの」と定義されている。
民間企業の従業員、つまり私人で、警察官とは異なり「特別な権限を一切持たない。」警備業法においても職務質問、類似する行為、検問、現行犯以外の逮捕、取調べなどの権限は認められていない。つまり、警察官のような恰好をしているが、「何ら権限を持たない一般会社員」なのである。
仕事上、事件や事故、火災、交通事故などに遭う機会が多く、それらの対処、護身装備の取扱い、護身術、消火設備の使用、避難誘導、応急手当、事件や事故の現場保存など、多岐の業務を行う。つまりは、警備員が活躍、あるいはその能力や知識を発揮する時、それは、残念ながら誰かに何かがあった時なのである。
警備員の最大の成果、それは、「何も起きないこと。」なのである。
この物語は、山盛亮と言う一人の中年警備員が、とある施設警備に従事する物語である。さりげない警備員の日常生活を赤裸々に綴る物語である。