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【書籍・漫画化しました!】異世界メイドの三ツ星グルメ ~現代ごはん作ったら王宮で大バズリしました~【旧題・美食おぼっちゃまの転生メイド】  作者: モリタ


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アイス・アイス・ドリーミン4

「ああっ、まさかこの世界でこんな素敵な物が手に入るなんて思わなかったわ! 私ってば、本当に食の神様に愛されてる!」


 新しい調理器具に頬ずりしそうな勢いで……いいえ、本当に頬ずりしながら狂喜乱舞する私。

鉄でできたそれはずっしりと重く、そして作りも私の描いた絵のとおりでした。

そんな私を、呆れた顔で見ながらアンが言います。


「あんた、いくらなんでも無茶言いすぎでしょ、一週間で見たこともないような調理器具を作れって……。あのアントンとかいう人、徹夜したのか目が真っ赤だったわよ」


 そう、これは先程アントンさんがわざわざキッチンまで届けてくれたものでした。

しかしその姿は、服はヨレヨレ、髪はボサボサ、目の下にはくまができておりました。


 どうやら私が、できれば一週間で欲しいなどと言ったものだから必死に作ってくださったご様子。

しかし、新しい形のものを作るのは予想外に手間がかかるそうで、普通はこんなにすぐには完成しないそうです。


 早く欲しいという気持ちが先走ってしまっただけで、それほど期待していたわけではないのですが、アントンさんはそれを叶えるために頑張ってくださったよう。

申し訳ないことをしました。


「本当に良い人ね、アントンさん。初めて会った私のためにこんなに頑張ってくれるなんて。生粋の良い人に違いないわ」 

「いや、違うでしょそれは……。あの人、凄いデレデレしてたじゃない。あんたにいいところ見せたかっただけだと思うわよ」


 私が褒め称えると、アンがからかうような笑い顔で言います。


「目も合わせられないくせに、顔を真っ赤にして『ぜ、全部は無理だったけど、とりあえず出来たやつは持ってきたよ。ただこれは試作品なので、問題があったらすぐ言ってください。作り直しますので!』なーんて、はりきっちゃって。あんたって、本当にお得ねえ」


 なんて言いつつ、私の横腹を肘でツンツンしてくるアン。

何の話かよくわかりませんが、それより今はこの新しい調理器具……ずばり、ワッフルメーカーを試してみたくてしょうがありません。


 さっそく、小麦粉や砂糖、牛乳、卵にバターなどいつものメンバーを混ぜ合わせた後、冷蔵庫で保存しておいた生地を取り出します。

そして、二つのフライパンがくっついたような形をしたワッフルメーカーを火にかけ、焼いた時に張り付かないよう溝に沿ってハケで油をぬりぬり。


 ひっくり返して上の蓋もよく温めてから油を塗ったら、生地をワッフルメーカーに流し込んでいきます。

そして上蓋を落としてぐっと押し込み、様子を見つつ上下をひっくり返しながら焼くこと数分。


 甘い香りに辛抱たまらなくなりながらも、そっと蓋を開けてみると……そこには、綺麗に焼き目のついたワッフルが!


「ああ、こんにちはワッフル、前世ぶりね! ずっとあなたに会いたかったのよ!」


 目をキラキラさせながら、ワッフルを皿へと移す私。

いやあ、本当にワッフルって見た目からおいしそうすぎます。


 このベコっと凹んだ内側と、ふっくらと膨らんだ外側のメリハリがたまらない。

前世では、駅の構内にあるワッフル屋をよく利用していたものです……シュークリームとどちらにしようか、いつも悩みながら。


 いやしかし、今思い出しても駅であんな匂いを出してるのって犯罪ですよね。

あんなの、耐えられるわけがありません。


「さ、さ、アン、試食よ。ワッフルよ、ワッフル! たまらないわね!」

「……相変わらず、食べ物が出来たときはやたらテンションが高いわねあなたは……それにしても、妙な形ね。意味あるの、これ」


 などと疑問を口にしつつも、私と一緒にワッフルを口にするアン。

すると、次の瞬間にはその顔がぱあっと明るくなりました。


「……美味しい! ホットケーキと同じようなものかと思ったけど、食感や味わいがぜんぜん違うわ! それに食べるところで、印象が違う!」


 そうでしょうそうでしょう。

ワッフルは、一つの中で高低差があるのがいいのです。

硬い部分と、ふわふわの部分。その二つの食感の違いが口の中で甘い変化をもたらしてくれるのでございます。


 もちろん同じ生地を普通に焼いても美味しいのですが、やはりおやつは形による食感の変化も重要なポイントですから。


「でも、これをアイスとどう使うわけ? 添えて出すならアイスだけってご命令に背いちゃわない?」

「大丈夫よ、そこはちゃんと考えてあるから。それじゃ、次はこれね」


 そう言って、もう一つの新しい調理器具を取り出す私。

それもワッフルメーカーのように二つの型がくっついた形をしていますが、形は随分と違います。


「また個性的なものが出てきたわね。これは何を焼くものなの?」

「うふふ、よく聞いてくれたわね、アン。これはね……皮を焼くものなのよ」

「……皮? 皮ですって? なにの皮を焼くの? そもそも、皮を使ったおやつってなに?」


 顔中に?マークをつけて聞いてくるアン。

さて、私がどんな皮を焼くのかは……出来てみての、お楽しみ。

読んでいただいてありがとうございます!

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