ただいま、愛しのエルドリア!6
「良かった、シャーリィ! あんた、戻ってきたのよね? ここにいるわよねっ!」
目元に涙をにじませながら、私を見上げて言うアガタ。
らしくない様子に私が驚いていると、それに気づいたアガタが、ハッとした顔をしました。
「あっ……ご、ごめん。急にこんなの、驚くよね……。その……あんたが帰ってきたのは全部夢だった、っていう夢を見ちゃって。そんなわけないのに、なんだか急に不安になっちゃって……」
なんて、赤い顔でもじもじしながら言うアガタ。
なんと、それはまた複雑な夢もあったもんだ。なんて感心していると、アガタはもう一度私をぎゅっと抱きしめ、か細い声で続けたのでした。
「ねえ、シャーリィ。もう、どこにも行ったりしないでよ。私、あんたがいないと……寂しい、んだから」
「……」
どうやら私が居ない間、アガタには本当につらい思いをさせてしまったようです。
それは本当に申し訳なく思います。心から思うのです、が。
なんと、言うか……。
(ああっ……。弱った感じで、私にすがりついて来るアガタ……可愛すぎる!)
いつもはツンと澄ましていて、どこかお姉さんっぽいアガタ。
そんな彼女が、まるで幼女のように私にしがみついてくる姿。
それがもう本当に可愛くて、クラクラしてしまいます!
いつもこうならいいのに。いつもこうならいいのにっ!
(あっ、いけないいけないっ。友達が涙を流してるのに、なに考えてるの私っ!)
ぶんぶん頭を振って、邪念を振り払う私。
そして彼女をぎゅっと抱き返すと、私はできるだけ優しい声で言ったのでした。
「ごめんね、アガタ。もう絶対いなくなったりしないわ。どこにも行かない、ずっと一緒にいる」
「本当に? 絶対よ」
「うん、絶対!」
そう言いあって、見つめ合う私たち。
ああ、本当に可愛い。私が男だったら、今すぐ嫁に貰うところです。
ですがそこでアガタが、ぬぼっと立っているアリエルの存在に気付き、大きな悲鳴を上げたのでした。
「きゃあっ! だっ、だっ、誰っ!?」
「あっ、ごめんアガタ。紹介するのが遅れたわ。こちら、アリエルって言って、私に付いた護衛様なの」
「アリエルと申します。驚かせてしまったようで、失礼いたしました。どうぞ私のことは空気や壁と思って、気になさらないでください。さあ、遠慮せず続きをどうぞ」
「きっ、気にならないわけないでしょ! いるならいるって、言ってよねっ!? 続きもやらないわよっ!」
平然としているアリエルと、私から跳び離れ、顔を真っ赤にしてキレているアガタ。
ちっ、フィーバータイムが終わってしまった。
「ああっ、もう、私ったらなにしてるのかしら。シャーリィに弱いところを見せるなんて、一生の不覚だわっ! 今すぐ忘れてちょうだい!」
「えっ、なんでなんで? もっと甘えていいのよっ。二人でイチャイチャしながら、美味しいおやつでアフタヌーンティーと洒落込みましょうよ。ねっねっ」
「うるさいうるさい、調子に乗るなっ!」
と、もう一度のチャンスを狙う私と、そっぽを向いてプリプリとキレるアガタ。
ああ、こうしてじゃれ合うのも楽しいものです。
眼鏡に監禁され、みんなに会えず苦しんだ時間の分、これからもっと楽しまなくてはっ!
なんてウキウキ気分で考えていると、そこでアガタが「あっ」とつぶやき、思い出したように言いました。
「ああ、そうだ。ねえシャーリィ。あんたとアンって、一緒の休みとかって取れたりする?」




