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第7話

 歩いていると全然進まないため走っていきます。

全速力ではなく目で風景が追うことができる程度に。

それにしても随分と大きな平野ですね。

そして、背の高い草が永遠と続いているのも嫌ですね。

視界が悪すぎます。

私は川の側を歩いているためそこまで多くの草は生えていません。


 それから長く走っていますが、思った以上に何も見えてきません。

もう少し何か見えてきてもよいと思いますが。

何か動いていますね。

何でしょうか。

遠くからでも見えるほどかなり大きなものが動いています。

…、モンスターですか。

大きすぎて目立つモンスターですね。


近くまで行くとかなりでかいです。

元の世界の家くらいはあるのではないでしょうか。

顔は兎のようですがすでに2足歩行をしていますし、目も赤く鼻もドングリ鼻で大きいです。

毛は茶色で足の爪は長く歩行に向いていると思えません。

ただ、その足の爪で傷つけられると大怪我になりそうです。

ただ、足の指も茶色なので汚いですね。

では、鑑定を。


 【 名 前 】 ヤマミツネ

 【 年 齢 】 50

 【 職 業 】 兎種

 【 レベル 】 50

 【 体 力 】 5000/5000

 【 魔 力 】 200/200

 【 攻撃力 】 2000

 【 防御力 】 1000

 【 俊敏性 】 500

 【 スキル 】 なし

 【固有スキル】 なし

 【 加 護 】 なし

 【 称 号 】 なし


 【注釈】食用不可


 随分と強いですね。

それにしても兎なのですか。

元の世界ではこんな大きな兎はいませんでした。

…、その上食用不可ですか。

あまり倒す意味がありませんね。

ここは無視しましょう。

幸いにして俊敏性は遅いみたいですし。

隣を通り過ぎて、先を急ぎます。

ともかく住みやすい場所を見つけなければいけませんからね。

ん、後ろから気配が。

先ほどの兎が追ってきています。

食用不可なので戦いたくありません。

逃げることにしましょう。

当分の間、走ってみましたがようやく何か感じます。

かなり多くの気配を感じています。

だいぶ先に門がありますので、あそこに人が住んでいるのでしょう。

何か聞くことができればいいのですが。

…、ん。

後ろを見れば先ほどの兎が走ってきています。

門を見ます。

人間の強さがどの程度かわかりませんが、この兎は危険な部類に入るかと思います。

このままでは人間の迷惑になるでしょう。

結局のところ、戦わなければならなくなりました。


 少し旋回して門から遠くへ行きます。

今でも充分遠かったのですが、何が起こるかわかりませんからね。

そして、ヤマミツネと対峙します。

このヤマミツネはスキルがありませんでした。

以前のビラデックスみたいに急激な能力の上昇はありません。

手足はそこまで長くないので体当たりが中心ですか。

しかし、2足歩行の上、ここまで走ってきています。

手には爪が生えていないようです。

油断は禁物です。

魔法を準備する間に何か動いています。

少し強めの魔法を放つ必要がありますから、少し魔力を溜めます。

私は吹き飛ばされました。

体が2回ほどバウンドし、地面に叩きつけられます。

めちゃくちゃ痛いです。

起き上がると巨大な尻尾が見えます。

体の中に尻尾を隠していたのですか。

そして、魔力が消えてしまっています。

これでは少しずつ魔法を当てていくのがいいでしょう。

瞬時にあの尻尾を避けることができるほどには俊敏性が高いわけではありません。

すぐに起き上がります。

体を確認しましたが、どこかを痛めたわけではないようです。

運が良かったです。


 では、行きましょう。

まずは何が効くのか試していきます。

火から放っていきます。

ヤマミツネは尻尾で火を消しました。

あの尻尾がヤマミツネの生命線ですか。

尻尾を動かないようにするにはどうしたらよいでしょうか。

とりあえず、雷魔法を放ちます。

上からの攻撃ができるので尻尾での防御が難しいはずです。

尻尾を大きく横に広げて雷を防いでいます。

そういう使い方もできたのですか。

多才ですね。

しかし、欠点が見えました。

再度、少し強めに雷を放ちます。

ヤマミツネが雷を防いでいる間に風魔法の小さくて強い貫通力が高い魔法を放ちます。

ヤマミツネは慌てて避けました。

そういうことですね。


 一点の貫通力が高い魔法は防ぐことができないということです。

そのことさえわかれば十分です。

ヤマミツネはそこまで俊敏性が高くありません。

いずれは捕まえることができるでしょう。

ん、足に何か触りましたかね。

何もありません。

今の感覚は何でしょうか。

妙な不安がありますが、魔法を続けていきましょう。


 ヤマミツネは器用に逃げていきます。

いかに魔法を小さくしていてもここまで避けることができるのは魔法の速さと出力の遅さでしょう。

どうしても彼女のようにうまくないので、ここで魔法が出てほしいときに出ません。

以前の魔物では近距離でしたのでうまくいっていただけでしょう。

…、少し魔力を使いますが、土魔法を使います。

わざと誘導するように魔法を放っていきます。

そこで土魔法を設置します。

足がカクンと落ちました。

…、すぐに立ち上がりますが、やはり何かおかしいようです。

しかし、今、魔法を緩めるわけにはいきません。

ヤマミツネは穴に落ちてくれました。雷魔法を放ちます。

そして、穴を除いて風魔法を放ちました。

見事に貫通し、ヤマミツネはその場でうずくまっています。

もういちど、風魔法を放ちヤマミツネは絶命しました。


 ただ、私もこの場で立つことができません。

一体どうしたというのでしょうか。

体の状態を見るためステータスボードを開きます。


 【 名 前 】 ショウスイ

 【 年 齢 】 3

 【 職 業 】 異世界に紛れ込んだ動物

 【 レベル 】 15

 【 体 力 】 400/1000

 【 魔 力 】 1/2000(魔力枯渇)

 【 攻撃力 】 730

 【 防御力 】 435

 【 俊敏性 】 1200

 【 スキル 】 幻影LV.1 鑑定LV.1 アイテムボックス(最大LV)

 【固有スキル】 最強種進化 

 【 加 護 】 なし

 【 称 号 】フェンリルの意志を継ぎし者


 彼女がなんとなくわかると言っていたのはこのことでしょうか。

正直、どのような状態になるのか教えてほしいものです。

少し休まないといけませんね。

しかし、ヤマミツネは迷惑でした。

まさか追ってくるとは思ってもいません。

しかも食用不可というのは厳しいですね。

魔力もたくさん使っているのでお腹も減っているのですが。


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