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第6話

 気が付けば、すでに朝になっていました。

太陽はすでに斜め上まで来ています。

くんくん、少し体が匂いますね。

川で体を洗いましょう。

水に濡れるのは嫌いですけど、匂いが臭いのは嫌ですからね。

周りに何もないことを確認して家を壊します。

昨日は割と暗くなっていましたからあまり見えませんでしたが、草原というよりも河原という感じです。

草がそこまで多くありませんね。

確かにここであれば綺麗に家を建てることができるでしょう。

ただ、砂が多いので良く安定していましたね。

今度からはちゃんとしたところに立てましょう。


 気を取り直して川に飛び込んでいきます。

少し冷たい水が心地よいですね。

ヒロシ殿に洗ってもらった時のように気持ちよくありません。

洗ってみますが、手の届かないところもありますから。

仕方ありませんね。

僅かに水面が揺れたので、すぐに陸に上がります。

水面から何やら緑色のものが見えます。

左右に動きながら私の方に向かってきています。

水から上がってくると大きな顎を持った魔物です。


 【 名 前 】 ウォーターゲイル

 【 年 齢 】 25

 【 職 業 】 鰐種

 【 レベル 】 25

 【 体 力 】 1500/1500

 【 魔 力 】 20/20

 【 攻撃力 】 300

 【 防御力 】 200

 【 俊敏性 】 200

 【 スキル 】 水魔法LV4 水親和LV6

 【固有スキル】 なし

 【 加 護 】 なし

 【 称 号 】 なし


 【注釈】食用可


 どうしてでしょうか。

思った以上に数値が高くありません。

ビラデックスの方の数値が高いです。

レベルは確実にウォーターゲイルの方が高いのですが。

それにウォーターゲイルは私を追いかけてきたくせにこちらに来ようとしません。

水に引き込もうとしているのでしょうか。

水の方に行くわけがありません。

昨日のビッグブルーアジャラを忘れていませんから。

私は雷魔法をウォーターゲイルに放ちました。

ウォーターゲイルは大きな水玉を放ちます。

雷は水玉に吸い込まれていきます。

残念ながら雷は防がれてしまいました。

ウォーターゲイルは雷を見て逃げようとしています。

逃げようとしているウォーターゲイルに複数の雷魔法を放ちます。

ウォーターゲイルは複数の水玉を扱うことができず、そのまま雷を受けます。

ピクリとも動かなくなってしまったので死んだのでしょう。

レベルの割にはあっけない死に方です。

一応食べることができそうですので、朝ごはんにしましょう。


 さて、同じように火をおこしましょう。

昨日のような間違いはしません。

まずはウォーターゲイルを輪切りにしていきます。

皮と肉の境目が見えます。

その境目を目掛けて風魔法を流していきます。

あれ、なんかぐちゃぐちゃになっていませんか。

おかしいです。

ビラデックスの時にはこのようなことになっていません。

何が違うのですかね。

少し触ってみます。

肉の硬さがそもそも違うようです。

ビラデックスの肉は固かったのですが、ウォーターゲイルの肉は柔らかい。

もしかして、ビッグブルーアジャラの時には加熱していたので固くなっていたのでしょうか。

ビラデックスと同じ硬さでしたからね。

またも失敗です。

うーん、奥が深いです。

ここまでぐちゃぐちゃになった肉を加熱しても意味がありませんので、そのまま切り取っていきます。

肉自体はありますからね。

原型をとどめていませんが。

しかし、これでは肉を焼くことができません。

そういえばここの石はまだ暖かいですね。

木が燃えたのはかなり前だと思いますが。


 石の上にそのまま肉を横に置きますが、これではあまりにも時間がかかります。

先ほどの石を焼いてみましょうか。

この方法ならば焼けるかもしれません。

石を風魔法で飛ばし、火の中に入れます。

そのまま時間が経つのを待ちます。

…小さい石がものすごく遠くまで飛んでいきましたが気にしません。


 10分ほど経って石を取り出そうとしました。

風魔法で取り出します。

火でなぜか風魔法が吸い取られるような現象が起きますが魔力を込めて乗り切ります。

いい具合で焼けている石の上に肉を置きます。

良い匂いとともに肉が焼けていきます。

片側が焼けましたが、反対側が焼けていません。

あちっ、あちっ。

ひっくり返そうにも難しいです。

風魔法でひっくり返そうにも肉が引っ付いてうまくいきません。

前足で肉を取ります。

あつっ。

肉球が赤くなっています。

今度からは石を使ってはがすようにしましょう。

やけどします。

もうしていますか…。


 十分に焼けましたね。

モグモグ、美味しいです。

あっさりしていていくらでも食べることができそうです。


 焼くのに時間がかかりましたが、お腹は一杯になりました。

さてと、これからどうしましょうか。

彼女からは自由に生きていいと言われています。

しかし、何をするか決まっていませんし。

川の側というのはあまり過ごしやすいものではありません。

川の流れの音がうるさくて、思ったよりも寝つきが悪いのです。

草原の方が過ごしやすいのですが、食べ物がありません。

どこへ向かいましょうか。

…、なんとなくですが、南の方に美味しいそうな食べ物があるような気がします。

では行くことにしましょう。


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