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第34話

 私たちは全速力で森の中を走ります。

セーフエリアまでには印をつけまくっているので間違えることはないかと思います。

…、だいぶ走ったところでカルロが止まります。

何かが近づいてきていますね。


『手間が省けるな。』

『気配を読めるというのも便利ですね。』

『俺の方が魔物の気配を感じやすいが、スキルはついていなかったな。』

『もしかしたら、先天的に魔物が備えているものだからではないですか?

それならば魔物についていないというのは分かります。』

『それは一理あるかもな。

ただ、人間だけしか使えないスキルもあるということであれば侮れんな。』

『まあ、確かにそうですが。』



「ギオオオオオオオオオ」


 随分と大きな声です。

周りの魔物が一斉に動き出します。

ドラゴンがいる方向と反対の方向へ。

しかし、我たちがいる方向へは来ませんでした。

やはり強者とみられているのでしょうか。


『姿が見えたぞ。』

『あれが…、随分とでかいですね。』

『いや、小さい方だ。

ドラゴンは1000年以上大きくなるというとんでもない魔物だからな。

あのドラゴンはせいぜい200年程度だろう。

成体になって100年程度。

生粋のドラゴンの中では若い部類に入る。』


 ドラゴンは全て赤い鱗に覆われており、トカゲよりも少し頭が小さいです。

そして翼が大きく、空中での旋回も早いようです

空中での戦いでは完全に負けてしまいますね。

地上に落とさなくては勝ち目がありません。


『分かっているだろうが、空中で戦われれば俺たちの負けが決定する。

どうにかして地面に引きずり下ろす必要がある。』

『しかし、生半可な攻撃では止めることができないということですね。』

『そうだ。魔法の察知能力も高いと思った方がいい。

魔物の気配にもこんなに敏感だしな。

それを考えれば撃っていればいつかは当たる。』


 そんなに簡単な話ではないと思いますが。


 【 名 前 】 レッドドラゴン

 【 年 齢 】 300

 【 職 業 】 竜種

 【 レベル 】 300

 【 体 力 】 14000/14000

 【 魔 力 】 20000/20000

 【 攻撃力 】 6000

 【 防御力 】 5000

 【 俊敏性 】 4000

 【 スキル 】 破壊光線LV3(溜めを要する。) 飛行LV3 火魔法LVMAX 炎魔法LV2

 【固有スキル】 なし

 【 加 護 】 なし

 【 称 号 】 なし


 ドラゴン。

空中戦と空中からの攻撃では無類の強さを誇る。

レッドドラゴンは火の扱いに長けているが、火と炎以外は操ることができない。


 【注釈】食用可(非常に美味)



 随分とカルロの話と違います。

空中での速さがステータス通りであれば逃げ切ることは不可能です。

夜であれば可能性がありますが、それまではかなり厳しいでしょう。


『どうだった?』

『カルロが思っているよりもさらに強いですね。

空中でそのまま速度を出されたら逃げ切れません。』

『くっ、夜とは違うか。

他には?』

『リヴァイアサンと同様破壊光線があります。

あとは火と炎だけを使用できるようです。』

『弱いところはそこだけか。』


 …、レッドドラゴンが何かをしています。

あれは口元に光が集まっています。

リヴァイアサンの破壊光線と似ています。


『逃げるぞ。』


 私とカルロは同時に動きました。

2人とも反対方向へ行きます。

レッドドラゴンは私の方向へ向きました。

轟音と光とともに吹き飛ばされます。

背中が痛いです。

1メートル先に大きな線が付いています。幅は1メートルほど。

リヴァイアサンの倍以上の威力です。

もう少し逸れていなかったら直撃していました。

危ないところです。

もう少し近くにいたら死んでいました。

なんて理不尽な能力を持っているのでしょうか。

しかし、レッドドラゴンは私の方を見ています。

好都合です。

カルロには目を向けていないというのも分かります。

そういえばリヴァイアサンも私の方を中心に見ていましたね。


カルロが木の間から見えます。

カルロも無事ですね。

私のことを心配してくれているのでしょう。

ただ、レッドドラゴンをもう少し弱らせる必要があります。

私は水魔法をレッドドラゴンに放ちます。

僅かな水なので当たる可能性も低いですが。


レッドドラゴンは翼をはためかせ、横に避けました。

僅かですがしっかりと避けきっています。

レッドドラゴンの目が僅かに揺れました。

レッドドラゴンの目の前に火よりも青い炎が見えます。

不味いです。

私は直ぐに走り出しました。

後ろで木が倒れる音がします。

少し見ると木が焼けるというよりも溶けています。

高温のために焼けることもないのでしょう。

もちろん、倒れた木は焼けています。

炎魔法がここまで強いとは思いませんでした。

レッドドラゴンの魔力がどれほどで尽きるかわかりませんが、今は逃げに徹します。



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