表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界「ざまぁ」代行業者  作者: 田中なも
4-表舞台と裏舞台
73/151

7

「そう言えば、ヴァニラはどうしてる? 相変わらず、元気?」

「ああ。食費は掛かるが、有能であることには変わりないな」

「そりゃそうさ。何たって、あたしの最高傑作だからね」

 パルフェはうんうんと頷いて、煙草の端を咥えた。白い煙が、ふわっと辺りを漂っていく。

「……まぁ、失敗作であることには変わりないけど」

 彼女の瞳はウルカを見つめているようで、どこか遠くを見通しているように思える。

「未だに、ヴァニラ以上のホムンクルスは作れないのか」

「亜人はほぼほぼ成功したようなもんなんだけどねぇ。ヴァニラは声が出ないけど、まぁあの程度なら誤差だろ?」

 ひらひらと手を振りながら、彼女は言葉を続ける。

「でもねぇ、やっぱり人間となると難しい。亜人と似てるってのに、何が違うんだろうね?」

「知らん。自分の姿を鏡で見たらどうだ」

「見たみた! 何千回も見たよ」

 ウルカは自称・「キニ国の天才」をじっと見つめる。天才には天才なりの悩みがあるのだ。

「会う度にヴァニラ、ヴァニラと言うが、おまえはヴァニラに会いたいのか? 会いたいのなら、今度連れて行くが」

「会いたいけどさぁ、ヴァニラはあたしのことなんて、覚えちゃいないよ。売り物の記憶は完璧に消してるからね」

 どことなく寂しそうな顔をしているパルフェ。体勢が辛くなったのか、足を完全に投げ出している。

「そうか」

 ウルカが淡々と返事をすると、彼女は歯切れの悪そうな表情を浮かべた。

「そっけないねぇ。『そんなこと言うな』とか、普通言うでしょ」

「会いたいなら、はっきりとそう言え」

「はいはい。今度会わせてください」

 わざとらしい発音。しかしその中には、微かな喜びが混じっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ