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異世界「ざまぁ」代行業者  作者: 田中なも
0-「ざまぁ」は脆く、そして儚い
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6

「……そろそろ十分か。おまえら、一気に片付けろ!」

 手こずっているカイルたちを見て満足した様子のカエナは、近くで戦闘をしているフードの二人組に大声で指示を出した。今まではほんの前座だと言いたげな表情で、黄色の目を光らせている。

 

 ――次の瞬間、小柄な一人はラアラから大幅に距離を取り、対する長身の一人はシャルと一気に距離を詰めた。木の上の一人は相変わらずだが、すっと身を屈めて戦況を窺っている。

 シャルは敵の機敏な動きに警戒し、一歩後退する。相手は自分と同じ、身体能力に特化した格闘技。実力は互角なはずだ。

 敵が繰り出す右ストレートを避け、右フックを入れる。これは瞬時に回避されたが、その直後に長い左足でキックを放つ。一進一退の攻防。傍から見れば、どちらが勝つか、全く分からなかった。

 攻撃を避けるために後方にバク転した敵を見て、シャルは即座に距離を詰めた。相手が着地する瞬間を狙って、渾身の左ストレートをお見舞いする――。

 

 ――しかし、それは完璧に予測されていた。敵は左足を地面に付けた直後、今度はシャルの左手を軸に、再び可憐に宙を舞う。獣人のなせる身軽さが、空中回避の最短距離を生み出し、相手は瞬時にシャルの裏へと回り込んだ。

「まずいっ!!」

 ……そう思ったときには、シャルは敵の右ストレートを背中に食らっていた。よろめいた瞬間に強烈な蹴りを入れられ、今度は派手に吹き飛ばされる。後方に生えていた木に体をぶつけ、彼女はその場にうずくまってしまった。当たりどころが悪く、意識が完全に消えてしまう。

 

 

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