表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界「ざまぁ」代行業者  作者: 田中なも
3-素晴らしき人間の栄華
57/151

21

 ティオたちが難なく牢に到達した一方、ウルカは劣勢を強いられていた。

「中々面白い魔法を使うエルフだ。敗北を味わわせたら、特別に実験に掛けてやろう」

 シュアンは氷属性と雷属性の使い手らしく、先ほどから交互に魔法を放っては、ウルカの反応を見て楽しんでいる。

「逃げ回ってばかりではつまらんな。それとも、これ以上の攻撃手段がないのか? ユニークなエルフの割に、どうやら魔力は弱いようだな」

 ウルカは肩で息をしながら、相手の傲慢な姿を見た。確実に、弄ばれている。

 

 決定的な攻撃に転じることができないのは、彼がエルフではないからだ。フェアリーは本来、戦闘を好まない種族だ。それは性格的な面もあるが、そもそも内在する魔力が弱く、体質的に派手な戦闘向きではないのだ。得意魔法のラアウも、敵の油断を突かなければ当たらない。

(ヴァニラ……!)

 ウルカはちらりと後方を見たが、どこに消えてしまったのか、そこにヴァニラの姿はなかった。これでは、助け船も期待できない。

「こんなものか? ……なら、そろそろ終わりにするか」

 十分満足したと言わんばかりに、きれいな白髪を掻き上げるシュアン。ついに手加減を止め、全力で潰しにくるようだ。

(……! スキルか……?)

 シュアンの空色の瞳が、微かに動く。これは、スキルが発動する合図だ。

(『命中』か……。これは厄介だな……)

 ただでさえ高火力な、シュアンの魔法。さらにスキルまで使われたら、誰しも決して無事では済まないだろう。ウルカは白い瞳を見開いて、自身のスキルを発動した。浮かび上がる古代文字とともに、敵のスキルが「無効化」されていく。

「そこに跪け!!」

 ――シュアンの放つ、鋭い閃光。青い稲妻が空を裂き、ウルカの脳天に襲い掛かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ