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異世界「ざまぁ」代行業者  作者: 田中なも
3-素晴らしき人間の栄華
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13

 エハ監獄・M棟。光属性魔法のロカヒで姿を消したティオとルーチェは、危なげなく奥まで到達した。

「あっ!」

 微かな声を上げたルーチェの先には、小さな牢がある。その奥で、何人かの人影が動いている様子が見えた。

「おれの仲間だ!!」

 顔ぶれを認識したルーチェは、途端に牢の傍まで走り出した。ロカヒの範囲から外れた彼は、徐々にその姿を現す。

「みんな!!」

 俯きがちにぼそぼそと話していた五人の人物は、ルーチェの声にばっと顔を上げた。赤や青の髪の毛が、一斉に牢内で揺れる。

「なっ……。ルーチェか!?」

 青年と思しき赤鬼が、鉄格子を掴んで前のめりになった。黄色い目をパチパチさせながら、ルーチェの顔を見つめている。

「助けに来たぞ!! 逃げよう!!」

 空気を混ぜた言葉を吐きながら、彼は仲間に向かって脱出を促した。その隣にいるティオは、すでに手慣れた様子でピッキングを始めている。

「信じられないわ……。ルーチェ、無事だったのね……」

 ルーチェと同じ瞳を持つ女性が、嬉しそうに涙を流した。「母さん……!」と胸が詰まったような声を出す彼に向かって、優しく微笑む。

「はい、できたよ」

 ガチャリと鈍い音がして、鉄格子の扉が開いた。ティオのこの技術、泥棒稼業も十分務まりそうだ。

「みんな、早く!」

 即座に牢の中に入ったルーチェは、仲間を促しつつぐっと唇を噛む。……傷ついた体に、折られた角。人間に対する復讐心は、容易に募ってしまうだろう。

 しかし、今は恨みを垂れ流している場合ではない。とにかく、早急に監獄から出なければ。ルーチェは仲間の背中を押して、ティオに向かって頷いた。

「じゃあ、行くよ」

 鬼人たちをぐっと近づけたティオは、「ロカヒ」と静かにつぶやく。すると、範囲内に入った人物は、跡形もなく姿を消した。


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