11
「……っ!?」
……直後、閃光が目の前を通り過ぎた。うずくまった隊員が、彼に向かって雷属性魔法を放ったのだ。
「おまえ、一体どうしたんだ!?」
慌てて身を引いた彼は、突如攻撃を仕掛けてきた仲間に動揺する。ウルカが刺した毒針のせいだとは、露知らず。
混乱状態に陥った隊員は、立て続けに閃光を解き放った。「待て!! しっかりしろ!!」と言う仲間のことはお構いなしに、彼を左奥へと追い詰めていく。 ……これで、警戒の目は一旦左方に向いただろう。
「今だ、行くぞ」
ウルカは二人が門から離れるのを確認した後、ふわっと門を飛び越えた。獣人のヴァニラも、ピッタリとその後に続く。
前方の棟には、軍服姿の隊員が三人。彼らは素早く駆け寄ってくるウルカを見つけると、即座に警戒態勢へと入った。右手を構える侵入者に対して、色鮮やかな魔法陣を召喚する。
「侵入者だ!! 迎撃しろ!!」
――刹那、ウルカの陰から現れたヴァニラが、目にも留まらぬ速さで隊員の一人に飛び掛かった。放たれた灼熱の業火の中、確実に彼の動きを封じる。
「ラアウ!」
ヴァニラの下敷きになった隊員の首元に、先ほどと同じ針を突き刺す。ヴァニラと錯乱状態の隊員。毒針の効果はじきに切れるが、ひとまずこれで二対二だ。
ウルカは混乱状態の隊員の背中を飛び越え、右方に向かって駆け出した。ヴァニラのことが心配ではあるが、気にしている場合ではない。一刻も早く、鬼人を救い出さなくては。そう思いながら、彼は素早く足を動かした。




