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異世界「ざまぁ」代行業者  作者: 田中なも
2-無双は死亡の元
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 受付嬢のエルフがにこやかな笑みとともに話した内容は、概ねこんな感じだ。

 まず、パーティは一斉にこのギルドからスタートをし、各々モンスターのいそうな目的地へと向かう。エリアは無指定。パーティの判断に則って行動してもらって構わない。

 その後は仲間と力を合わせて、エントリーシートに書かれたモンスターを討伐する。モンスターにはそれぞれランクが付いており、ランクの高いモンスターを討伐すると、より多くの得点が稼げるという仕組みになっている。

 タイムリミットの二十四時間以内にここに戻り、のちに結果発表となる。その際、登録されたパーティメンバーが全員揃っていることが条件。一人でも欠けていたら失格とする。


「ここで、皆様お分かりかと思いますが、モンスターのカウント方法をお伝えいたします」

 受付嬢はスカートの裾を揺らしながら、周囲をぐるりと見回した。さすがは接客業といったところで、説明の合間も笑顔を振りまくことを忘れない。

「モンスターには、コアと呼ばれる核が存在しています。コアの色はモンスターによって様々ですが、基本的に三原色に近付くにつれて生命力が高くなっていきます」

 彼女はそう言って、真っ赤な宝石のような球体を掲げる。これがコア、モンスターの心臓だ。

「皆様には、討伐したモンスターのコアを回収していただきます。我々が皆様のコアを鑑定し、それによって順位を決定いたします。今回の対象コアは赤系統。青・緑系統のコアは審査の対象となりませんので、くれぐれもご注意ください。赤系統のコアを持つモンスターについては、皆様のエントリーシートの裏面に記載しています」

 言われた通りにエントリーシートを裏返すと、赤系統のコアを持つモンスターの一覧が載っていた。最高ランクのAに分類されているのは、レッドドラゴンを筆頭とするドラゴン族。しかし、ドラゴンは討伐に相当苦労するモンスターなので、対抗戦向きとは言い難い。ドラゴンを一体倒すより、Bランクのモンスターを百体倒す方が、よっぽど効率的だ。二十四時間以内にBランクを百体倒すと言うこと自体が、よっぽどの難関かもしれないが。

 「長らくお待たせいたしました。それでは今より、討伐大会を開催いたします。皆様のご健闘をお祈り申し上げます」

 受付嬢は丁寧に頭を下げ、「いってらっしゃいませ」と手を振る。それを合図に、何組ものパーティが一斉にスタートを切った。

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