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「え……? どうした……?」
言葉を失っているウルカたちを見て、アーサーは緑色の瞳をパチパチさせる。
「……カウラナは、一体何を考えているんだ」
ウルカが呆れたような声を出すと、吸血鬼たちは一斉にアーサーへと詰め寄った。
「まさか、そのミッション、受けようとか考えてないよな!?」
「え……。受けるつもりだったけど……」
「バカ!! 絶対死ぬぞ!!」
「悪いことは言わないから、今すぐ考え直せ!!」
吸血鬼たちは翼をバサバサさせながら、興奮気味に言葉を浴びせる。
「ちょ、ちょっと! 一体、何なのよ……」
ソフィが困惑した表情を浮かべる。今を生きる人間たちにとって、「魔女の庭」は神話の中の架空の場所という扱いなのだ。
「とにかく! 『魔女の庭』には近づくなよ!!」
ライチの真剣な忠告に、アーサーとソフィは少々後ずさった。
「そ、そんなこと言われても――」
――ソフィが戸惑いの声を上げた瞬間、前方から激しい地響きが聞こえてきた。ダンジョンの壁が盛大に破壊される音と、「きゃああーーっ!」という女の悲鳴が聞こえてくる。
「ソフィ、行くぞ!」
「分かったわ!」
その悲鳴を聞くや否や、アーサーとソフィは細い道を一気に駆け抜けた。さすが、ハヴィカのパーティメンバーだ。
「ウルカ、今の悲鳴……」
「ああ。もしかしたら、ターゲットのパーティメンバーかもしれない」
ライチの言葉に、ウルカは小さく頷いた。随分奥まで来たのだ。そろそろ遭遇できてもおかしくはない。
「モンスターと戦闘しているようだな。慎重に行くぞ」
彼は吸血鬼たちに合図を送ると、さっと道を走り抜けた。




