表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界「ざまぁ」代行業者  作者: 田中なも
7-偏愛の執着
148/151

21

「え……? どうした……?」

 言葉を失っているウルカたちを見て、アーサーは緑色の瞳をパチパチさせる。

「……カウラナは、一体何を考えているんだ」

 ウルカが呆れたような声を出すと、吸血鬼たちは一斉にアーサーへと詰め寄った。

「まさか、そのミッション、受けようとか考えてないよな!?」

「え……。受けるつもりだったけど……」

「バカ!! 絶対死ぬぞ!!」

「悪いことは言わないから、今すぐ考え直せ!!」

 吸血鬼たちは翼をバサバサさせながら、興奮気味に言葉を浴びせる。

「ちょ、ちょっと! 一体、何なのよ……」

 ソフィが困惑した表情を浮かべる。今を生きる人間たちにとって、「魔女の庭」は神話の中の架空の場所という扱いなのだ。

「とにかく! 『魔女の庭』には近づくなよ!!」

 ライチの真剣な忠告に、アーサーとソフィは少々後ずさった。

「そ、そんなこと言われても――」


 ――ソフィが戸惑いの声を上げた瞬間、前方から激しい地響きが聞こえてきた。ダンジョンの壁が盛大に破壊される音と、「きゃああーーっ!」という女の悲鳴が聞こえてくる。

「ソフィ、行くぞ!」

「分かったわ!」

 その悲鳴を聞くや否や、アーサーとソフィは細い道を一気に駆け抜けた。さすが、ハヴィカのパーティメンバーだ。

「ウルカ、今の悲鳴……」

「ああ。もしかしたら、ターゲットのパーティメンバーかもしれない」

 ライチの言葉に、ウルカは小さく頷いた。随分奥まで来たのだ。そろそろ遭遇できてもおかしくはない。

「モンスターと戦闘しているようだな。慎重に行くぞ」

 彼は吸血鬼たちに合図を送ると、さっと道を走り抜けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ