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異世界「ざまぁ」代行業者  作者: 田中なも
7-偏愛の執着
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「おまえらって、普段何してんの?」

「特に変わったことはしてないわよ。ダンジョンに潜ったり、ギルドに立ち寄ったりって感じ」

 ソフィの言葉に、ライチは退屈そうに返す。

「それ聞くとさぁ、冒険者って同じことの繰り返しじゃね? おれだったら、絶対に飽きるわ」

「いや、そうでもないぜ。最近、新たなミッションがカウラナから発表されたんだ」

「カウラナから? 何だよ、それ」

 アーサーはニヤリと笑うと、バッグから一枚の紙切れを取り出した。

「じゃじゃーん! 『魔女の庭』の探索だ」

 ……それを聞いた亜人一同は、思わず身を硬直させた。ウルカは目をしばたかせ、吸血鬼たちは顔を見合わせる。


 魔女の庭。かつてティオの一族が住んでいた場所だ。今では開発が進み、彼らが暮らしていた範囲は「魔女の庭」から外れてしまったが、それでも未だに不明な領域がある。ただ単に雪の積もった地域であるにも関わらず、まるで魔女が手入れをする庭のように、神秘的な誘惑を携えているのだ。

 ウルカは聞いたことがある。千八百年ほど前、「魔女の庭」に足を踏み入れた冒険者エルフたちが、一週間後に白骨化した状態で発見されたという事件。骨の状態は実に良好で、まるできれいに舐め回されたようであったらしい……。

 吸血鬼たちは知っている。「魔女の庭」に一歩でも踏み込んだ者は、決してこの世界に帰ってくることはないと。この言い伝えを守り続けたからこそ、彼らの先祖は生き延びることができたのだ。その領域に暮らしていたカレレー族には手を出さず、近寄りすらもしなかった……。

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