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第5話 諜報員DEET その5


 満を持して発動したラッキースケベミッションも思うような成果が上がらなかった。


 屈んだりしゃがんだりして下着のチラ見せから始まり、つまずいて押し倒したりは日常茶飯事。部屋に先回りして身体を拭いている所に出くわし演出なども、すまないの一言で終わってしまう。


 何とか現状を打破せねば⋯⋯。


 思い悩みながら歩いていると光の壁が目の前に迫ってきた。


「ひゃっ⋯⋯」


「⋯⋯ごめん。ディート」


 光る少女が光を撒き散らしていた。


 尻もちをついた私に近づくと、光を抑えてくれる。


「⋯⋯大丈夫?」


 首を少し傾げたサーラ様は土人とすら親しげに接する心優しい少女なのだ。これだけの力を持つにも関わらず奢った部分がない。


 これはもう変にこそこそと裏で動くより、正面から攻めてみた方がいいのかも知れない。


「サーラ様。私も殿ともっと仲良くしたいのです。どうしたら良いのでしょうか?」


 いたいけな少女に相談する内容ではないが当って砕けろだ。


「⋯⋯うーん」


 更に首を傾げたサーラ様。


「わ、私も殿と一緒に同衾させていただけませんでしょうか?」


「⋯⋯シューイチ起こさなければいい。でもサーラの番はあげないよ」


「いい⋯⋯のですか?」


「うん。でもシューイチ寝れなくなっちゃうから寝てからきてね」


 うん? 寝てから?

 寝てから同衾する意味ってあるのだろうか。

 寝起きドッキリ狙い⋯⋯でいいか。


「はい! ありがとうございます!」



 その後、サーラ様と殿はお出掛けし、戻ってきたと思えば、殿は出陣なさるという。ようやく掴んだチャンスだが、今夜を逃すと当分無くなってしまう。


 気合いを入れて仮眠を取り、夜に備える。


 丑三つ時に目を覚まし、今宵の戦闘服であるスケスケネグリジェを気合いで装備する。これを着るのはある意味裸より恥ずかしい。


 しかし、こんな蹂躙OKを前面に押し出した蹂躙フリー装備の可憐な女が隣に寝ていたら、朝から蹂躙バッチコイだろう。


 いける。


 思わず握りしめた拳が、興奮でブルブルと震えた。



 音も無く寝所へと忍び込む。

 2人はバッチリ寝ているようだ。


 最近、里から輸入した布団に潜り込む。


 あったか〜い。


 殿の腕を拝借して、肩を枕にする様に抱き着く。

 スケスケネグリジェでは外は肌寒かった。


 それに何だか落ち着く匂いだ。嫌いじゃない。

 殿は男性なのに肌もスベスベだ。


 首から鎖骨のラインもいい。

 意外と筋肉もある。


 温もりに包まれながら、殿を触っていたらサーラ様が光り出した。


「⋯⋯ディート。だめ」


「はっ。申し訳ありません!」


 小声で謝罪し、大人しく目をつぶっていると温かくて幸せな気分だ。


 殿も光らなければいいのに⋯⋯。


 そんな益体のない事を考えているうちに眠りに落ちていた。



 翌朝目覚めると、布団には誰もおらず切なくなった。蹂躙された形跡はなし。ヨダレの形跡しかなかった。



 スケスケネグリジェ以外の着替えも持ってきていない事に気付いたが、しょうがないのでそのまま夜までふて寝する事にした。

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