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52. 王都へ


城塞都市ダンダムで10人程の小綺麗になった元傭兵と合流して、王都への街道をガタガタと荷車に揺られながら進む。

元傭兵達も馬車ではあるがこちらと同じ露天むき出しタイプだ。


ダンダム軍の馬車とは若干の距離を置き、ゴブリンさんが低空飛行で牽くマガラ軍の荷車が続く。不思議な事に人力荷車が馬車に追いついていけている事に誰も疑問をもっていない様だ。


マックスはこの先の宿場町にいるらしい。ガロスに体良く追い払われたのだろう。



野営を挟み、ダンダム領の南端の宿場町に到着する。


我々マガラ軍はどうせ宿屋が使えないので町の外に天幕を張り駐屯した。



一応、マックスに挨拶でもと宿場町を訪れると騒がしい。マックスの怒鳴り声が響いていた。



「長居は無用だ!早く出発せよ!」


どうやらマックスが早く出ろとゴネているらしい。


「魔術師である我の武勲が無くなったらどうする!急ぐのだ!」


随分と気がはやってる様だ。やはりガロスの判断は正しい。



「ダンダム辺境伯。久しいな。叙爵おめでとう」


「おお!マガラ士爵ではないか。母上は健勝か?」


「元気にしている」


「母上も嫁ぎ先が見つかり一安心だろう。近所だしな。ただし泣かせる様な真似をすれば許さん!」


「気を付けよう。ところで何の騒ぎだ?」


「まだ出発できぬと申すのだ。これだから傭兵上がりは⋯⋯」


傭兵上がりは関係ないと思うが⋯⋯。とりあえずこちらも野営準備しているので出発は明日にして欲しいとお願いする。


「それならば仕方あるまい。出発は明日だ!」


面倒な指揮官だなー。

補給業務など出兵準備に忙しい元傭兵達に目礼されながら駐屯地に戻った。ゴブリンさん達はいつも通りで平和だ。



◆◆◆◆◆



そこからは途中の宿場町にも寄らず、王都までノンストップ行軍だった。


俺としては開拓してた頃を懐かしんだ日々だったが、ノンストップを指示したはずのマックスが野営の不便さに愚痴を溢すのにも飽きて無言になった頃ようやく王都が見えてきた。とは言え僅か8日間で到着だ。



しかし、王都の様子がおかしい。

攻めている軍勢もいなければ、掲げられている紋章も知らない物だ。


⋯⋯既に落ちている?



マックスと相談してみたがこのまま王都に入るとの事だったので、王都に入れるか分からないロイとゴブリンさん達には手前の宿場町近辺で待つ様に指示し、マックス達に着いて行く事にした。



そして案の定、王都に入ったところで拘束される事になる。


既に王国は滅亡し、帝国の版図となっていたのだ。



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