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46. ダンダム攻略


魔具の短剣に触れるのも嫌がったサーラちゃんを連れてゴブリン村に戻ったのはまだ午前中だった。


「お帰りなさいだす」


片膝をついたダリと背後に平伏するゴブリンさん達が出迎えてくれる。いつにも増して仰々しい。


「どうした?何かあったか?」


「サーラ様も成長した様子だす。流石は主様だぁ」


サーラ様?

サーラちゃんも首を傾げている。


あーレベルアップとマナ循環か。ダリもレベルアップさせた方がゴブリンさん達の上に立つ上では利点があるのかも知れない。


それに対して傭兵団の人達は「キング帰ってきたぞ」「帰るの早ぇなスピードキング」「さすゴブキン」等、ザワザワしていた。


⋯⋯キングとか他の貴族いるとこで止めてね不敬だから。



騒ぎに出てきたマックスに魔具の短剣を渡す。


「これは貸しだ」


「これが⋯⋯これで我も魔術士に⋯⋯」

人の話は聞いてなさそうだ。


「マガラ士爵!⋯⋯このお礼は必ず!」

母上様も出てきた。この女⋯⋯谷間の魅せ方を熟知していやがるっ⋯⋯。


「ついでだ。魔石も貸しておく」


谷間に吸い寄せられる視線を何とか逸らしマックスに魔石も渡した。



「団長、これで勝てるか?うちの兵は必要か?」


「ああ、いや俺達だけで十分だ」


「魔術士に歯向かう奴ぁこの辺境にはいねぇよ!」


ガロスもやる気十分だ。



「では俺は寝させてもらう。ダリ!後は頼むぞ」


「はいだす!」


眠気で頭が回らないので昼寝させてもらう事にした。



日が沈む頃まで寝てしまい、起きた時にはマックスとダンダム傭兵団は出発した後だった。紋章官も一緒に馬車で行った様だ。徒歩では格好が付かないんだろう。


しかし、何故か母上様だけが残っている。


「エメリーヌ殿は一緒に行かなかったのか?」


「戦さ場で女は邪魔にしかなりませぬ。もうしばらく逗留させて下さいませ」


ウチには侍女など居ないし不自由だろうに。

ダンダムに戻っても居なくなってるのかもだけど。


「好きにするといい」


「ありがとうございます」

今度は露骨な胸チラだ。誘われてるんだろうか。色々計られている気がしてならない。


◆◆◆◆◆


晩飯は人数も減ったので、この村のとっておき「鱒の一夜干し」をエメリーヌにも振舞った。


川も勢力範囲内になったので魚も獲る様になったのだ。減り過ぎない様に釣りがメインだがダイラタント漁で一網打尽にもできる。


ダイラタント漁は水に溶けず流されない魔素殻を川に大量投下しメテオで衝撃を与えると魚が窒息死する俺のオリジナル魔漁だ。⋯⋯あれ何か哀しいな。



背開きにした白身の鱒を保存用の干し魚より薄めの塩水に漬け、一昼夜だけ表面が乾燥する程度に柔らかく干した物だ。焼き過ぎない様に炙り、噛み締めるとジワリと染み出す油が美味い。


⋯⋯日本酒が恋しい。

ここはきたしずくを醸した純米酒が正義だろう。



米を噛み噛みして酒造りとかも記憶にはあるけど米が余るくらい作れる様になってからだな⋯⋯。上手くいく気がしないし。



⋯⋯今頃、ダンダムでも祝杯を挙げているだろうか。まぁ団長とガロスがいるからきっと大丈夫だろう。




夜中にダリが申し訳なさそうにやってきてエメリーヌが俺に会いたいとの伝言を持ってきたので、夜の据え膳も頂いた。


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