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25. 馬魔獣リベンジ


この先の大部屋には生存者は3名反応がある。


問題はお馬様。そこそこ大きな部屋になっているのであのお方の助走距離も十分確保できているだろう。


「⋯⋯生きているのは3人」


「やるしかねぇか」


剣盾持ちは覚悟が決まっている様だ。

お馬様相手に救助優先で背中を見せるとやられちゃうしね。


「速そうだが⋯⋯どうやって脚を止める?」


策持ってる人いたらいいなー。


「躱して斬りつけるか」

「それくらいしかないな」


剣盾持ちと鈍器盾持ちは脳筋気味の様だ。


「壁を背にして突進を防ごう⋯⋯近付いたら包囲戦かな?後脚にも注意して」


おおっ流石、槍仲間。ナイス突進防止策。



「⋯⋯左側が生存者少ないから皆、左側で」


「まずは脚狙いだな⋯⋯よし行こう」

「「おうっ!」」



剣盾持ちが大部屋に飛び込み、鈍器盾持ちが続く。


槍盾持ちが目線で早く行けと言っているので続いて駆け込み、左の壁際を走る。



黒々とした毛並みに、内包する膂力を感じさせる体躯。

久しぶりに邂逅したお馬様はのっそりと血に濡れた首を起こし、牙を剥くと姿とは似つかわしくない肉食獣の咆哮を上げた。



前を走っていたはずの鈍器盾持ちは恐怖のあまり尻餅を付いている。


チラリと見渡すが後ろには槍盾持ちがいない。逃げたか?



お馬様は鈍器盾持ちをロックオンしたまま悠然と動き出す。


剣盾持ちが剣と盾を打ち鳴らし注意を逸らそうとしているが音にも力が無い。



こちらに注意は向いていない⋯⋯が、ゲイボルグには遠い。

ジャンプチャージも飛び上がってるのが見られたら躱されそうだ。



槍を構え前傾姿勢に。

狙うは前脚付け根のやや腹側。



倒れながら左足での膝蹴りで加速ッ!


これが「縮地!」⋯⋯からの「ゲイボルグッ‼︎」



槍が馬魔獣に当たった衝撃なのか自分が馬魔獣に当たった衝撃なのかも分からないが、車にでも轢かれたんじゃないかっていう激しい衝撃と浮遊感。音なのか衝撃なのかもよく分からなかった。




気が付いたら、仰向けにぶっ倒れており革鎧は縦に裂け、左肩も外れていた。身体もあちこち痛む。


「はは⋯⋯俺⋯⋯生きてる」


この自らを弾丸と化し、止まれない技を縮地と呼んで良いものかは疑問が残る。



馬魔獣に視線をやると、奴をブチ抜いた槍もバッキリと折れ、穂先もひん曲がってた。


「⋯⋯やったか?」


いや感知で知ってた。生命反応無し。


⋯⋯魔石が落ちた。



「おーい。あんたら大丈夫か?」


未だに呆けている剣盾持ちと鈍器盾持ちに声を掛ける。


「呆けてないで生存者を助けてやってくれ!」


「⋯⋯あぁ」「了解した」



こっちも助けて欲しいくらいだけども。

何とか体を起こす。魔石と穂先は回収しとこ。


あーもう動けない。動きたくない。



槍盾持ちは入口前でヘタれていた。元気そうで何よりだ。




結局、すぐに生存者を運ぶ事は諦め、止血など応急処置を行い後発組と合流して生還した。

拉げたフルプレートは脱がす事もままならず、重過ぎて運べなかったのだ。



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