プロローグ
いつも通りに知り合いにもっと詳しく話の内容を見たいと言われたので書きました。毎回これくらいの文字数になると思います。不定期更新なので気長に待っていて下さい。
--この世界は緩やかに終わりに向かっているディストピアだ。誰もが人を愛せなくなり、種として繁栄しなくなってしまったのだ。愛さなくなってしまったのは単純だ、他人よりも魅力的な存在がいたためだ。それは、個人管理用AIだ。
このAIは一人につきひとつ与えられこのAIによって個人を管理している。AIはその人の性格から最適な人格を形成して人がより良い生活を出来るようにサポートを行う。つまりは、理想の人格となるってことだ。そんなのが付かず離れず身近にいたらそりゃ他の他人なんて愛せなくなる奴が増えたって仕方ないだろ?
だが、政府だって黙って見ていた訳ではない。人工受精やクローン技術を使って種を残そうとしたのだが、結果としては上手くいっていない。増える子供の数よりも、減る人間の数の方が圧倒的に多いのが現状である。ならこの管理AIをやめればいいって話なのだろうが、その判断を下すのが遅すぎたのだ。もうAIがなくてはいけないレベルまでに生活に食い込んでいたから今更無くすことが出来なかったのである。
そんなのだから、今じゃ昔は都会なんて言われた一部の都市以外の人はいなくなりゴーストタウンと化している。どこに行っても同じだとそのまま死んでいった人も多いため家の中が亡くなる瞬間のそっくりそのままなんてこともよくあることだ。
俺は、そんなゴーストタウンの中から金になりそうなものを漁るトレジャーハンターまがいの仕事を生業にしている。昔の掘り出し物なんかだと物好きが高値で買ってくれたりするから存外と儲かってはいる。
今日も今日とて俺は宝さがしに来たって訳だ。今日の場所は見てくれから言ってどうやら工場か研究をしてた場所のようだ。こういう所の昔の研究資料とかは売れるからと、俺は積極的に探すのであった。
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どれだけの時間探しただろうか。俺は一つの情報媒体を見つけ出した。
(このタイプの情報媒体が使われていたのは数百年前…そんな大昔のデータかこれは?)
こんな職業に就いてるから年代の特定とかは得意だったりする。売れるかどうかを調べる為にもこの媒体の中身を調べることにしたのだった。