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届けられた招待状

今日も1日が長かったー!


学校から帰ってくるなり荷物を放り投げる。


今日も誰とも話せなかったな…なんで自分はこんなに人見知りでダメダメなんだろう…


今日一日のことを振り返って気分が沈みかけたその時だった。


ーピンポーン

「郵便でーす」


「はーい!」


わざわざ何だろう?と思いながら封筒を受け取る。そして中身を開けると…


「んん!?」

今日1番のリアクションを取ってしまった。


それもそのはず。そこに入っていたのは、年に何度か開催するテレビ番組「歌声自慢大会」の案内所だったのだ。


…え?どういうこと??私こんなものに応募した覚えないんだけど…


とにかく辞退しようと連絡先を確認すると、注意書きが小さく書かれているところを見つけた。


「【注】応募者の私情により辞退する場合は別料金が発生します。」


…そんなことある?実はこの番組ブラックなんじゃ…



仕方ない、とにかく当日行くだけ行ってみよう、もしかしたら向こう側の手違いだって気づいてくれるかもしれないし。


撮影日を見ると、なんと明日だった。せっかくの土曜日…録画で撮り溜めておいた音楽番組を見ようと思ってたのにな。


ただでさえ帰ってきて落ち込んでいた気持ちがより1層暗くなる。


こんなときこそ何か歌って気分を変えよう!

私は最近知ったお気に入りの曲を口ずさむ。


♪ー顔を上げればほら、君が笑って手を伸ばしている

僕は迷わずその手を掴むよ 一緒に歩んでいこう2人の軌跡をー♪


バラード調の曲、歌詞はおそらく恋愛ものだろう。

連日放送されていたドラマの主題歌なだけあって、どこに行っても流れてくるため自然と覚えてしまった曲だ。



私もこんなふうに誰かと手を取り合って生きていくことができたらいいな。って言っても、まだまだ友達を作るところから始めなきゃなんだけどね!



「ただいま〜」

「あ、お母さんおかえりなさい!」


仕事帰りの母がニマニマしながら部屋に入ってくる。


「菜子〜、今歌ってたでしょ?笑」

「え!聞こえてたの!?恥ずかしい…!」


普通に気持ちよく歌ってたから声量なんて気にしてなかった…


「いいのよ全然気にしないで!私、菜子の歌聴いてると疲れが吹き飛ぶの!なんだろう、歌声にマイナスイオンでも潜めてる?笑」


どういうこと??笑


「おかあさん、何言ってるの笑 私なんかの下手な歌聞いてそんなふうに言ってくれるのはお母さんだけだよ笑」


たぶんお母さんは自分の子だから贔屓目でそう聞こえるんだろうな。


「んもう!本当そんなことないのに!」


お母さんは納得いかない様子でぷりぷりしているけど、でもいいんだ。誰かに聴かせようとしてるわけじゃないから。


自分の歌についての評価はいらない、ただ気持ちよく歌えればそれでいいの――

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