一人ぼっちの私 (2)
私が1人で音楽を聴いている時、教室の後ろの方ではある女子グループが何かを企んだ目でこちらを見ていた。
「ねえ、私面白いこと思いついちゃった笑」
「なになに、悪い顔してるぞ〜ユウカ笑」
クラスのリーダー格であるユウカを取り巻くように、何人かの女の子が集まる。
「小豆沢さんって〜、いつも1人で音楽聴いてるじゃん?だからきっと、音楽大好きだと思うのね笑」
うんうん、と周りの女の子たちがユウカを見つめる。
「私の知り合いも出るんだけどね、今週末で応募締切の『歌声自慢大会』っていうのがあるじゃない?」
「ああ、あのテレビでやってるやつか!…え、もしかして?笑」
「ふふっ、そう、音楽がだーいすきな小豆沢さんのこと、うちらがこっそり応募してあげようよ笑」
「えー何それ、超面白いことになりそうじゃん!笑 ただでさえ普段もろくに喋ることできないのにテレビ番組で歌うとか!笑」
何人ものクラスメイト達が、その光景を想像して吹き出す。
「絶対あいつ、何が何だか分からなくて突っ立っちゃうよ笑」
「テレビに映ってるのにね〜!見たい見たいその光景!」
そんなことを後ろで話されているとはつゆ知らず、私は音楽を聴きながら1人、ぼんやりと外を眺めていたのだった。
突然現れた小豆沢、誰だよってなりましたよね笑
主人公の菜子のことです!「小豆沢 菜子」って書いて「あずきざわ なこ」
フルネームの紹介が遅れて申し訳ありませんでした、(^^;