35話 種類
「天使にも色々あって、これまで確認された個体だと、戦闘力の低い『基本型』。天使側の攻撃係である『斧』や『槌』を持った『巨人型』。素早い攻撃が目立つ『爪』を持った『獣型』。そして、最も凶暴とされる『人型』の四形態ね」
実践練習を終えて帰ってきた十葵と翔太、甘い物巡りより帰還した弘佑の三人は『相談室』という我が家で楓より天使の授業を受けていた。
「ハンマー持った『巨人型』とかおるんや」
「こういう奴らが山ほど出てくるんだもんなぁ」
男三人は驚いたように頷いていた。
「まぁ、ゲームで例えるなら『基本型』は小さなザコ敵よ。『巨人型』と『獣型』が中ボスといった所かしら」
「んで」
「『人型』が大ボスか」
「『中ボス』と『大ボス』で難易度違いすぎやろー」
翔太が呻くようにテーブルに突っ伏す。
十葵と弘佑も『人型』との戦闘を思い出してため息を吐く。
「もし人型が現れてしまった時は、無理して戦おうとせず、逃げる事を優先してちょうだい」
「わかりました」
頷く十葵。
「はい、それじゃあ休憩にしましょうか。コーヒー入れるけど飲むかしら?」
「あ、俺アイスコーヒーもらいます」
翔太が手を挙げる。
「あ、俺はコーヒーいいです」
「俺も。苦いのダメなんで」
十葵と弘佑が申し訳なさそうに断る。
「あらそう。あ、なら紅茶もあるわよ」
「あ、じゃあ俺アイスティー!」
嬉しそうに立ち上がり、楓の手伝いに向かう十葵。
「俺は紅茶もいいや。ジュース買いに行こ」
コーヒーも紅茶も飲まない弘佑が自販機に買いに部屋を出る。
「弘佑くん。コーヒーも紅茶も飲まないのね」
「武道やってたゴツイ見かけによらず、お子ちゃまなんすよ」
十葵がヤレヤレと説明しながら手際よくアイスティーを作る。
「ふふ、仲がいいのね」
「まぁ、付き合い長いんで」
クスッと笑い、自分のコーヒーを席に置き、翔太にアイスコーヒーを手渡す楓。
「そういえば、萌佳達は?」
「夕食の買い出しへ行ってくれてるで」
アイスコーヒーに多めのミルクとシロップを投入した翔太が説明する。
「そっか。毎日夕食作ってもらって、買い出しまでとは申し訳ないな。次回は買い出し俺らで行くか」
「せやね」と頷く翔太。
「青春ねー」
「楓先生も俺らとあんま年変わらねぇじゃん」
そんな話をしているうちに、弘佑は買い出しから帰ってきた萌佳達を連れて戻ってきたのだった。
閲覧頂きありがとうございます!
よければ
⑴ブックマーク
⑵評価
も励みになるのでよろしくお願いします!( ˙꒳˙ )
⑶感想
まで頂けると泣いて喜びます( ;꒳; )
これからもよろしくお願い致します!




