33話 訓練
再び時間は流れ、土曜日。
十葵ペアと翔太ペアの四人は、萌佳の運転で高架下にある人気のない広場のような場所へとやってきた。
「ここなら大丈夫でしょ」
「確かに。広さも高さもいい感じだな」
十葵が周囲を見渡しながら頷く。
「ほな、戦闘訓練開始やな!」
翔太が高らかに宣言する。
そう、自分たちは能力をさらに上手く使う為の訓練にやってきた。
実践練習というやつだ。
「んじゃ、早速始めますか!」
左手に巨大な『黒い大鎌』を召喚する十葵。
十葵と同じ、大きな刃がついた『白い大鎌』を召喚する萌佳。
銀に煌めく『太刀』を召喚する翔太。
鉄で細身の『長槍』を召喚する結依。
「いい?これは練習であって本番じゃないからね。あまりムキにならないように」
萌佳の忠告が入る。
「おう」
「了解や」
「それじゃ、開始」
結依が呟くと同時に、四人はお互い駆け出していった。
「十葵!行くでぇ!」
「十葵、覚悟!」
三人が一斉に十葵に向かって攻撃を構える。
「お前ら、なんでだー!」
慌てて防御の構えをとる十葵。
「一番強い者から倒す。これは鉄則」
結依が呟くと同時に、槍を投擲してくる。
「くそ!」
大鎌を振り払って長槍を叩き落とす。
「槍にばっかり気ぃ取られとると痛い目みるで!」
翔太が太刀を振り上げてくる。
「ぐ!」
すぐさま回し蹴りで翔太の突進を弾き、鎌を回転させて止まぬ槍の雨を払い除ける。
「隙あり!」
いつの間にか背後に回っていた萌佳が大鎌を振り下ろす。
「くそ!」
地面を蹴り、鎌の動きに合わせ側宙で躱す。
これにより、振り下ろされた大鎌は、十葵が居なくなったことで、前方の翔太に向けられる形となる。
「のぎゃあああああああ!」
大慌てで横に転がり、鎌の刃を避ける翔太。
「ちょい!まずは十葵狙いやろ!」
「わかってるけど、避けられたんだから仕方ないでしょ!」
翔太と萌佳がギャイギャイと言い争う。
「おいおい、喧嘩すんな……っと!」
十葵が呆れていると中距離で様子を見ていた結依の攻撃が再び始まる。
「休憩させてくれよー」
「終わったら、いくらでも」
連続突きしながら十葵に近づく結依。
「ふっ!」
まるで映画で見るCGを使ったような槍捌きで素早く近接格闘を行う結依。
「おま、格闘も出来んのか!」
「一応」
無表情を崩さず格闘を続ける結依。
十葵が隙を突いて反撃をしようとすると。
「させない」
すぐさま距離をあけ、近接から槍を降らせる魔術へと変更する。
冷静なだけに無駄がない。
「くそ……」
徐々に十葵は追い込まれてきた。
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