23話 獣型
夕方。
六人は大学から、電車に乗って三十分ほどの都会に来ていた。
「ところで何の映画なんだ?」
「最近流行ってるコメディーアニメだよ!」
風羽がヒラヒラとチケットを振りながら威張る。
「おぉ、マジか!それ見たかったんだよ!」
弘佑が興奮したようにガッツポーズをとった。
「一応芸術系の大学に行ってるんだし、何か学ぶことでもあるんじゃない?」
「映画くらい楽しく見させてや……」
萌佳の言葉に翔太が疲れたようにうなだれる。
「とりあえず、もう少し時間があるから晩飯食ってからにするか」
「そうだね」
「じゃあ、私行きたかったとこあるー!」
風羽がピョンピョンと飛び跳ねてアピールする。
「ほな、そこ行こか」
「オッケー」
そして六人は風羽オススメという店に向かうことになった。
「いやー、いい映画だった」
「まさか最後に羊が隕石にタックルをかますなんてな」
「そうめんで兵士を倒すシーンもよかったわ」
ワイワイと話す男三人。
しかし、女子達は黙ってどこか警戒した様子だ。
「萌佳、どうかしたか?」
十葵が振り返って尋ねる。
「おかしくない?あまりにも人が居ない」
萌佳に指摘されて周囲を見る。
確かに普段は深夜になっても眠らない街と呼ばれるほど人に溢れるこの場所も、今は誰一人おらず静まり返っている。
「確かに……変やな」
翔太も不思議そうに周りを見渡す。
「うーん。隠れんぼじゃないだろうし……」
風羽がふっと車の通らない車道に足を踏み出そうとした時。
「危ねぇ!」
弘佑が勢いよく風羽を自身の方に抱き寄せる。
「きゃっ!」
次の瞬間、車道側の地面から鋭い牙が現れ、風羽の居た所を噛み砕く。
ごっそりと抉られた地面。
「あ、ああ……」
震える風羽。
「大丈夫だったか?」
弘佑が自身にしがみついて震える風羽に尋ねる。
「う、うん……」
「弘佑、風羽。立って……来る!」
萌佳が叫ぶと同時に地面に魔法陣が浮かび上がり、2メートルはあるライオンのような天使が現れる。
「これは……!」
「まさか……『獣型』!」
結依が驚いたように声を上げる。
『獣型』と呼ばれた天使は、まさに獅子のような咆哮をあげてこちらに突っ込んでくる。
「来る!全員、用意を!」
萌佳の号令で一斉に能力を展開する六人。
「どぉらぁ!」
向かってくる獣型天使を迎え撃つように右拳で殴り飛ばす弘佑。
正面衝突した獣型は勢いよく地面を転がる。
再び、不気味に吠える獣型天使。
すると、地面に多数の魔法陣が現れ、基本型天使が召喚される。
「弘佑、獣型頼んでいいか!」
「おうともよ!」
「私も獣型する!」
急に叫ぶ風羽。
「風羽、大丈夫なのか!?」
弘佑が心配そうに風羽を見る。
「やる!やらせて!」
「……わかった。つーわけだ、十葵。援護頼むぜ」
「了解。弘佑と風羽に獣型は任せて、俺らはザコ処理だ!」
「「おう!」」
真っ直ぐ獣型に向かっていく弘佑&風羽と、各方向に散らばる十葵達。
獣型天使の討伐が開始された。
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