19話 援護
「やるじゃん、翔太。よし、俺らは巨人型だ!」
「うん!」
再び方向を変えて走り出す十葵と萌佳。
しかし次の瞬間、巨人型が勢い良くきりもみ回転しながら視界から消え去る。
その巨大な胴体で基本型も巻き添えに消滅する巨人型。
「悪いな、お先に!」
「おさきにー!」
街灯の上を見ると、弘佑が力こぶを作って十葵の方を見ている。
そんな彼の隣では風羽が大剣を片手で握り立っている。
「弘佑!」
「風羽!」
「うし!次は翔太のレスキューだ!」
「行こう弘佑!ごーごー!」
いつの間にあれほど仲良くなったのだろうか。
弘佑と風羽が翔太達救出のため基本型の殲滅を開始する。
司令塔の巨人型は消滅したが、結依のピンチに反応して、まだ退却していない基本型が多数いた。
「今助けるぞ!翔太!ふははははは!」
「ふははー!」
まるでどこぞの超人のような高笑いで天使を倒していく弘佑。
撃ち漏らした敵は同じく高笑いの風羽が処理していく。
「あいつら仲いいな……」
「ある意味ナイスコンビかも」
二人が少し呆れていると。
「はぁ!」
群がっている基本型天使達が翔太の斬撃により一斉に砕け散る。
結依を大事そうに抱える翔太。
さすがに分が悪いと考えたのか、残った基本型天使達も退却していく。
「はぁ……はぁ……」
「大丈夫か、翔太?」
「おう。それより結依を」
呼吸を整えながら結依を萌佳に託す。
「みんな!」
天使の退却を待って楓が迎えに来てくれる。
「お疲れ様。結界が破壊されて周囲に人々が現れたわ。急いで安全な場所まで戻りましょう」
大学に戻る道中。
車内テレビでは、最近増えてきた謎の機械生命体についてのニュースをしていた。
画面では、つい先程自分たちが戦っていた場所でレポーターが報道をしている。
「かぁー、疲れた」
弘佑が後部座席でぐったりと凭れ掛かる。
「結依はどうだ?」
「うん、大丈夫。眠ってるだけ」
「翔太もだな」
仲良く眠っている翔太と結依。
「本当にお疲れ様」
楓が労わるように声をかけた。
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