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Angel fall  作者: 流水 山葵
17/43

17話 鉄銀

「んじゃ、また後でな!」


「ぐっどらっくー!」


 一番手は弘佑と風羽のペア。


「ちゃんと帰っといでやー」


「お互い無事で終わろうね」


 二番手は翔太&結依ペア。


 そして、最後。


「あそこよ」


 楓がドリフトで車を停める。


 穏やかな見た目に似合わず、過激な止め方だ。


 少し離れた場所では巨人型の天使や、槍を持った巨人型と同じ外見で、人間位の大きさの天使もいる。


 あれは『人型』ではなく『基本型』らしい。


『基本型』は、巨人型と同じく知性が低くて、人間とは見た目が大きく違う。


『人型』は、外見は人間とまったく同じで、知性も高く、言語能力を持つ。


 そして最大の違いは、数である。


『基本型』はいわゆるザコ敵。


 数で押してきて、一体一体の戦闘力は非常に低い。


 その基本型を統率して、上位版となったものが『巨人型』。


 さらに『巨人型』すらも使役し、戦闘力も桁違いなのが『人型』となる。


 楓から教わったことだ。


「それじゃあ、インカムは着けたわね。私は天使の影響がない遠方から支援するわ」


 そして、再び走り去る車。


「あの光景も一般人からは見えてないのか」


「ええ。天使が街の破壊とか散々暴れて退却したあとで、ようやく現実世界の方も同じ状況になるから」


 そう。


 つまり、天使のいる空間で破壊したものは、後々現実世界でも破壊される。


 しかし、それはまったく同じタイミングではなく、天使のいる空間が消滅したあとなので、現実世界では一瞬にして、街が破壊されたように感じるのだ。


「なるほど。一般人からすれば、一秒前までは何事もなくて、まばたきしたら大惨事ってわけか……そうなる前に倒さなきゃな」


 瞬時に能力を展開する。


「オッケー」


 萌佳が召喚したのは十葵と同じ身の丈を越す大きさの大鎌、サイズだった。


 十葵とは対照的に、刃の部分は白銀に(きら)めいている。


「同じ大鎌で色違いか、すげぇな」


「ふふん、すごいのは見た目だけじゃないよ」


 そう言って走り出す萌佳。


「ちょ、待てよ!」


『基本型』の天使達の中に入り大鎌を一回転させると、湾曲した斬撃が萌佳を中心に全方向へ飛ぶ。


 多数の基本型天使が切り刻まれて消滅を果たす。


「おぉ、すげぇ。よし俺も!」


 十葵も基本型天使達の中に入り、敵を切り裂く。


 次々に消滅していく大量の基本型天使。


「なにそれ、威力おかしい!」


「そうなのか?」


 驚く萌佳にキョトンとした表情の十葵。


「いくら相性が良いといっても、それだけのパワーは異常かもよ。すごい同調率……」


「そ、そんなすごいのか」


 二人とも棒立ちでいると、地震のような咆哮が飛んでくる。


「来たぞ」


「巨人型」


 十葵や萌佳の体を軽く超える大きさの斧を握りしめた巨人型天使が近づいてくる。


「行くぞ」


「うん!」


 一度目を瞑る十葵と萌佳。


 お互いの鼓動が聞こえるような感覚になる。


 そして同時に走り出した。

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