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第7話 調子にのっちまった

「…で、結局悪役令嬢は、どうなった?」

「あまり、進捗良くなくてな…」

俺は、武井と二人で居酒屋で飲んでいた。

俺の異世界転生と同様、武井が中心となって悪役令嬢プロジェクトが進んでいるはずだが、余り噂を聞かない。


 武井は思いつめた表情で、お猪口を見つめている。

「何か、悩みがあるなら聞くぞ?」

「あぁ、いや、悩みというか、な」


 ぽつりぽつりと話す武井の話をまとめるとこうだ。

当初悪役令嬢役に抜擢された女子社員が、ギリギリの所で主役でなくば嫌だと、降りてしまったらしい。

新たなイケメンが湧いて出てくる事や、領地を治めたり事業を始めたりと自由気ままに過ごせることを必死で説得したが、結局はダメだったとの事。

しかし進んでいるプロジェクトを止める訳にも行かず、まずは代理で状況把握だけ、と武井自身が転生をする事になったようだ。


「それで、お前が悪役令嬢に?」

「そうだ。人気ゲームを最終章まで進めてな。ラストシーン直前で、スマホを持ったまま寝オチをしたんだ」

手段は、正しい。

この方法なら間違いなく、気付いた時には悪役令嬢に転生しているだろう。


「しかし、お前が転生した所で…その、なんだ」

「わかってる。俺もバッドエンド覚悟だったし、すぐ戻るつもりだったんだ」


 一体、何があったのだろう?

「逆転シーンで、つい、カッとなって調子にのっちまった」

「と、言うと?」

「ヒロインの粗を指摘し、さらに如何に流されるだけのヒロインがダメ女なのかを力説しちまった」

俺は額を抑える。

「お前な~」

「わかってる!本気じゃなかったんだ!」

「で、どうなった」

「…そのままだ」

どういう、意味だろう?


「イケメン王子キャラが、そのまま悪役令嬢ルートに乗っちまったんだよ!」

ブハッ!

「はぁ?つまり、その、お前と?」

「あぁそうだ。話はとんとん拍子に進んでしまい、すぐに結婚、そして初夜だ!」

「ばっはははははは!」

「他人事だから笑えるんだよ!」

確かにその通りだ。笑ったのは、流石に、可哀そうだろう。


「はぁ~」

武井は、酷く落ち込んでいるようだ。

無理もない。望んでもいないイケメン王子とくっつけられては、な。


 武井は、呟く。

「王子…もう一度、会いたい…」


 ファッ?!

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