第38話 そういうアレ
「ここは…城か?」
どうやら俺は、異世界の城へと転移したようだった。
「と、いっても何で誰も居ないんだ…?」
城は静まり返っており、人の気配はしない。
と、そこに人の気配が。
「誰か…あっ?!」
俺は慌てて物陰に隠れる。
あれは…サイトーパイセンじゃないか?
「この部屋だウェ~イ」
「マジあーし異世界とか初めて~☆テンアゲ~」
サイトーパイセンとギャル彼女は、廊下の端の部屋に消えた。
いやこれお城違いじゃねーか!
森の中のお城だろコレ。
なんだどうなっている?
と、またも人の気配が。
「あれは…マジか」
「たっぷり可愛がってやるぜェ~。子猫ちゃんよォ~」
「ヤダー恒山さんたら」
恒山さんとモブ子Aだ!
そうか二人ってそういうアレだったのかぁ~。
早く脱出したいが、またも人の気配だ。
「さ、早く。人に見られる前に…」
「あらあら、うふふ」
永山さんだ!
誰だ隣の女は?
明らかに嫁の褐色エルフじゃあ、ないだろう。
えっ?それってそういうアレ?
唖然としていると、またも人の気配が…。
あぁくそ、今度は誰だ?
「さぁ、篤弘、着いたぞ…」
「王子…早く入りましょう…?」
それは馬に乗ったイケメンイケボの王子と武井だった。
いや、おま、それ…そういう…アレなの?
その後俺はコソコソと城から脱出し、二時間待ってから世界を救った。
俺は、なあんにも、見ていません。
サラリーマンたるもの、いつだって見ざる、聞かざる、言わざるだ。




