第37話 こちらになります
…ここはどこだ…
俺は、何もない空間に、ただ浮かんでいた。
そうだ…俺はトラックに轢かれて…
このが、あの世ってやつか?
いや。
異世界転生前の、謎空間だ。
「と、いう訳で、転生前にワシがお前を面接するゾイ」
「月形 賢一郎と申します。よろしくお願いします!」
これは神様面接だな。
たまに起こるパターンだ。
「では早速ステータスを拝見するゾイ」
「こちらになります」
俺は、ステータス画面をフルオープンして神様に提出した。
「ふむ…」
「ふむ……?」
「如何でしょう」
「如何ってお主、どの数値も文字化けしとるんじゃが」
「桁が、大きくなりすぎましたもので」
「持ってるチート能力も、最初の『強い』『凄い』ってなんじゃコレは」
「取得チート数が多すぎるもので、類似のものは纏めているんです」
「……」
これは、勇者枠確定だろう。
何せ、エントリーシート…じゃなくステータス画面上では、この上ないハイスペックなのだから。
「ふむ。わかったゾイ」
「では!」
「お主は、ダニに転生じゃ!」
「??!」
「そうじゃのう。勇者が3番目に訪れるスルーされがちな村の宿屋の、あまり使われていないベッドに棲むダニが良いじゃろう」
「そんな!俺は勇者枠では?」
「勇者枠とはな、もっと恵まれない者のためにあるんじゃ!」
「なんですって?」
「まぁそうじゃのう。チート能力は、ちゃんと授けてやるゾイ」
「…どんな、でしょうか」
「『狙った相手が三日以内に足の小指をタンスの角にぶつける』なんて、良い能力じゃのう」
「いつ使うんですかソレ」
「ま、しっかりやるんじゃよ」
「ちょ!」
…あぁ…意識が…薄れる…
俺は、異世界のダニに転生した。
そして三日で世界を滅ぼした。
そうだこの能力、課長に使っちゃお。良い能力を貰った気がする。




